韓国国防省は12日、無人機による挑発の責任を全面的に否認した北朝鮮に対し「早期に滅亡しなければならない」「国とは言えない」などと否定的な発言で強く非難した。
韓国国防省のキム・ミンソク報道官は同日の定例記者会見で、北朝鮮が無人機事件の責任を否認し続けていることに対し「(北朝鮮は)嘘をつき続けるという歴史退行的な発言をしているが、実に有り得ない国だ。早く滅亡しなければならない。北朝鮮の主張を意味ありげに扱わないでほしい」と話した。
キム報道官は北側の「無人機共同調査」提案について、「北側が国防委検閲団を通し韓国側に共同調査を要求したことは、まるで犯罪者が自ら犯した犯罪行為を自ら調査するという盗人猛猛しい無理やりな主張に過ぎず、一考の価値もない。1998年に北朝鮮が(軌道に進入したと)主張した光明星1号は海に落下したことは周知の事実であるが、同衛星が放送を送出し続けていると長い間嘘をついてきた。北朝鮮という国自体、国ではない。ただ一人の人間を生かすために存在するだけ」と強く非難した。
一方、北朝鮮の国防委員会は11日、検閲団報道官の談話を通し、墜落した無人機が北朝鮮から発射・帰還したことが確認されたとする韓国側の発表に対し「南朝鮮当局がいくら『北犯行』説を何度もねつ造したとしても、我々とは一切関係がない」と述べ、「無人機共同調査」を再度提案している。
キム報道官はまた、北朝鮮が10日付け労働新聞の写真を通し公開したAN-2威嚇に対し「AN-2は1世代的な武器で、東ヨーロッパ圏で農薬散布をしていた航空機。北朝鮮はこれを輸入、有事の際に特殊部隊を侵入させるために大量に所有している。AN-2は速度が非常に遅く、越境する際に迎撃される可能性が極めて高い。農薬散布機が米軍のA-10(戦車キラー)のように機動性があるわけでもない」と指摘した。
AN-2から小型ロケットを発射した場面を公開したことについては、「標的を合わせるためには姿勢安全装置が必要。いかなる状況であれ平衡状態を維持するシステムが必要。これなしに標的を合わせることは不可能。対空砲は一般的に射程教理が1km以上だが、AN-2に装着されたロケット砲は最大で700m程度。(韓国側に侵入し同ロケットを発射する場合)どちらが先に落下するだろうか」と反問した。
韓国軍当局は有事の際、北朝鮮がAN-2を利用して特殊部隊員を後方に奇襲侵攻させる可能性に備えている。
北朝鮮は300台余りのAN-2を保有しており、同航空機は低高度飛行時、レーダーの監視網に引っかかりにくいとされてきた。長さ13m、幅18.2mのAN-2は完全武装した特殊部隊員10人程度が搭乗可能。