‘北朝鮮政府による人権被害者に思いをよせ、人権犯罪の根源を糺し、その解決方法を探求するために、ともに学びともに行動する意欲ある人たちが力を合わせるために、私たちの北朝鮮人権大学に参加されることを呼びかけます’
これまで北朝鮮の人権問題について、長年にわたり研究、取材を続けてきた日本の北朝鮮人権活動家が一堂に会し、来月2日に北朝鮮人権大学(合宿講座)を開校する。
講義では、長年にわたり拉致問題を調査してきたジャーナリストの石高健次氏、脱北者の取材を通じて北朝鮮の人権問題を提起してきた石丸次郎氏、拉致被害者の有本恵子さんのご両親である有本明弘さん、嘉世子さん、救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)代表の李英和氏、帰国事業で北朝鮮に渡った後、脱北して日本に帰国した榊原洋子さんなどが講師を務める予定。
学長の萩原遼氏は17日、デイリーNKとの通話で‘北朝鮮の人権問題に関心を持つ方たちの参加を期待している。若い人たちの参加も増えたらよい’と述べ、‘今後も講座を続けていきたい。また、韓国でも開講できたらよいと思っている’と抱負を語った。
萩原氏は先月、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会が作製した理論誌、“光射せ!”創刊号の編集作業も終えたところだ。思想や立場、民族の違いを乗り越えて、北朝鮮について研究を深めて人権問題の解決方法を共に探る活動が、今後一層広まることが期待される。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面人権大学の設立趣旨では、‘いま展開している朝鮮半島を取り巻く状況は、拉致された日本人を取り返す運動や、北朝鮮政府と朝鮮総連の虚偽宣伝の下で北朝鮮に移住した10万人近い在日朝鮮人、日本人妻の人権被害を救済する運動、そして凄惨な人権蹂躙が続く北朝鮮の政治犯強制収容所の廃絶を目指す運動、そしてまた中国で新たな被害にあっている脱北者を保護する運動を、長期的視点に立って再構築することを求めているといえる’と述べられている。
韓国では政権が変わって政府の新対北政策が注目されており、アメリカでも大統領選挙が近づいている。人権大学では専門家による講義を通じて、北朝鮮を取り巻く国際情勢の展望と、人権活動の取り組み方について考えを深めることができそうだ。