北朝鮮が家庭内教育の強化を通じて青少年の外部文化接触を遮断し、体制への忠誠心を内面化させる動きを本格化させている。
韓国の独立系メディア「サンドタイムズ」の2日付の報道によると、北朝鮮内閣の機関紙である民主朝鮮は同日、「家庭教養は道徳観確立の第一工程」と題する記事で、親の言動や生活態度が子どもの教育において核心的役割を果たすと強調した。露骨な表現こそないものの、北朝鮮のこうした報道には、ある種の「脅迫」や「警告」が含まれている。子どもの生活が「乱れ」て反動思想文化排撃法などに違反すれば、家族も連座制により厳罰を受けかねないからだ。韓流取締法とも言われる同法の最高刑は死刑であり、実際、長期の懲役刑などが乱発されている。
2024年秋には、北部・慈江道(チャガンド)の前川(チョンチョン)で15歳の高校生2人が、政治犯収容所送りになる事件が起きた。
現地のデイリーNK内部情報筋によると、同じクラスに属する2人は、学業や対人関係には問題がなかったものの、MP3プレイヤーにK-POPのファイルを保存し、他の複数のクラスメートにも聞かせていた。
これを目撃した別のクラスメートが保衛部(秘密警察)に通報し、2人は逮捕され、凄惨な取り調べを受けた。保衛部は、2人がK-POPを友人にも聞かせていた点が重罪対象の「流布」に当たるとして問題視したという。
そして1週間後。高校生2人のみならず、その一家全員が忽然と姿を消した。行方不明の話は地域に広がり、騒然となった。後になって、「しつけ」がなっていなかったとの理由で、連座制が適用され、家族全員が管理所(政治犯収容所)送りとなったことがわかった。
(参考記事:「泣き叫ぶ妻子に村中が…」北朝鮮で最も”残酷な夜”)
これは「緩慢な処刑」が宣告されたと言っても過言ではない。管理所では看守による暴力、恣意的な処罰、処刑などが行われ、栄養や衛生状態も最悪だ。
所内に設けられた「完全統制区域(一生釈放が許されない区域)」に至っては、そもそもが「労働を通じた絶滅」という収容者の緩慢な処刑が行われているも同然で、生きて出所できる可能性はきわめて低い。
