北朝鮮が今月に入り、相次いでミサイル発射を実施する中、国内の一般住民の反応は冷ややかで、急騰する物価への不満が一層高まっている実態が明らかになった。
北朝鮮は4日と10日、5000トン級の新型駆逐艦「崔賢(チェ・ヒョン)」号から戦略巡航ミサイルの試験発射を行い、14日には弾道ミサイル十数発を発射した。しかし、こうした軍事的示威に対し、住民の関心は乏しく、むしろ生活苦の深刻化への懸念が強まっているという。北朝鮮では、例年であれば「春窮期」と呼ばれる食糧難は4月から5月にかけて本格化するが、デイリーNKの内部消息筋によると、今年はすでに2月の段階で穀物が尽きる世帯が目立ち始めたという。
咸鏡南道(ハムギョンブクト)の消息筋によると、咸興(ハムン)市では「上昇し続ける物価に対する国家的対策を求める声」が広がっており、とりわけ家庭を担う主婦層の間で不満が顕著だという。
食糧価格の高騰に加え、為替レートの急落も重なり、ほぼすべての生活必需品の価格が上昇。住民生活は一段と厳しさを増している。こうした中でのミサイル発射に対し、住民からは歓迎する声はほとんど聞かれず、批判的な反応が目立つとされる。
(参考記事:「米軍が金正恩を爆撃してくれれば」北朝鮮国民の“心の叫び”は)
消息筋は「生活は困窮して飢えている状況で、誰がミサイル発射に拍手を送るのか」と指摘。「発射回数を減らし、その分コメを輸入してほしい」といった不満の声が相次いでいると明かした。
また、両江道(リャンガンド)の別の消息筋も「住民はテレビや新聞で発射のニュースに接するたび、以前にも増して不満を強めている」とし、「『国防力強化』や『打撃能力』といったスローガンは生活に直結せず、日々の生計に苦しむ住民には響かない」と語った。
住民の間では「無償配給を求めているわけではないが、せめてコメ価格を引き下げてほしい」「自力更生にも限界がある」といった切実な声が広がっているという。
