国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、朝鮮労働党第9回大会を控え、北朝鮮当局が青年層への思想統制や住民に対する無報酬の強制労働動員を大幅に強化しているとして、深刻な人権侵害だとする声明を発表し、強く非難した。
HRWは、「北朝鮮指導部は党大会が国の未来を形作ると強調するが、住民に突き付けられているのは恐怖と強圧、そして貧困だ」と指摘。若者を沈黙させ、強制的に労働を課すのではなく、慢性的な経済難や雇用機会の不足、医療へのアクセス障壁といった根本的課題の解決に取り組むべきだと訴えた。声明によると、2021年の第8回党大会以降、青年層を標的とした思想・情報統制が一段と強化された。外国メディアの視聴や共有、韓国式の表現や抑揚の使用、「非社会主義的」とされる歌唱や服装、結婚様式を禁じる法令が厳格に執行され、違反者には強制労働や長期刑、場合によっては死刑が科される可能性があるとしている。
また、党大会を前に、忠誠心の誇示と「目に見える成果」を目的とした大規模な動員キャンペーンが展開され、労働者や学生のみならず、児童にまで労働ノルマが割り当てられ、達成できなかった場合には処罰が伴ったという。
さらにHRWは、北朝鮮がロシアに約1万1千人の兵士を派遣し、劣悪な環境下で戦闘に投入していることも問題視。こうした人権侵害は、慢性的な食糧不足や栄養失調、制限された医療体制という厳しい生活環境の中で行われていると指摘した。
