国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは4日、脱北者25人への詳細なインタビュー調査に基づく報告書を公表。北朝鮮で韓流コンテンツを視聴したり大量流布したりした場合、「反動思想文化排撃法」により無慈悲な厳罰に処せられる現実がまたもや明らかになった。

2024年秋には、北朝鮮北部、中国との国境に接した慈江道(チャガンド)の前川(チョンチョン)で、15歳の少女2人が、政治犯収容所送りになる事件が起きた。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、同じクラスに属する2人は、学業や対人関係には問題がなかったものの、MP3プレイヤーにK-POPのファイルを保存し、他の複数のクラスメートにも聞かせていた。

これを目撃した別のクラスメートが保衛部(秘密警察)に通報し、2人は逮捕され、凄惨な取り調べを受けた。

(参考記事:北朝鮮女性を追いつめる「太さ7センチ」の残虐行為

その結果、MP3プレイヤーには数十曲のK-POPのファイルが保存されていた。保衛部は、2人が自分たちでK-POPを聞くだけではなく、クラスメートにも聞かせていたことを問題視した。

そして1週間後。高校生2人のみならず、その一家全員が忽然と姿を消した。行方不明の話は地域に広がり、騒然となった。後になって、しつけがなっていなかったとの理由で、連座制が適用され、家族全員が管理所(政治犯収容所)送りとなったことがわかった。

これは「遅効性の処刑宣告」と言っても過言ではない。

国自体が世界最悪の人権侵害状態にあると言われる北朝鮮において、管理所の状況はさらに劣悪だ。看守による暴言、暴行、恣意的な処罰、処刑などが行われ、栄養や衛生状態にはほぼ改善が見られない。

完全統制区域(一生釈放が許されない区域)に至っては、そもそもが「労働を通じた絶滅」という、収容者への遅効性の処刑が行われているも同然なのだ。

この事件の噂は、あっという間に全道に広がり、空気を凍りつかせた。従来なかったほどの厳罰だったからだ。

「まだ幼い高校生が韓国の歌をちょっと聞いたからと、一家全員を管理所送りにするなんてやりすぎだ」

現地ではこのような声が多く聞かれると情報筋は伝えた。