国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会(1718委員会)は6日までに、北朝鮮向けの人道支援事業17件について、国連制裁の適用除外を認めることを全会一致で決定した。複数の外交筋が明らかにした。医療、栄養、衛生分野を中心とする支援が対象で、北朝鮮国内の深刻な人道状況を踏まえた対応とされる。
承認されたのは、国連児童基金(ユニセフ)や世界保健機関(WHO)、欧米や韓国の非政府組織(NGO)が実施する医薬品供給、栄養改善、飲料水の確保、医療機器の搬入などの事業。いずれも制裁対象品目の搬入を伴うため、個別の適用除外が必要とされていた。
これらの案件は、2025年以降、委員会での審査が長期にわたり停滞していた。米国が、支援物資が軍や政権幹部に流用される恐れを指摘し、慎重姿勢を崩さなかったことが主な要因とされる。しかし、北朝鮮での慢性的な食料不足や医療体制の脆弱化が深刻化していることを受け、米国が最終的に賛成に転じたとみられる。
外交筋によると、今回の決定により、医療用消耗品、抗生物質、栄養補助食品、水質浄化設備などの搬入が可能となる。事業の実施期間は1年程度が想定され、支援物資の使用状況については、国連側が厳格な報告義務を課す方針だ。
北朝鮮は新型コロナウイルス流行以降、国境封鎖と対外取引の縮小により、慢性的な物資不足に陥っている。国連機関は、5歳未満児の栄養失調率や妊産婦の健康悪化を問題視しており、国際社会に支援の拡大を訴えてきた。
一方で、国連制裁を巡っては、北朝鮮の核・ミサイル開発が進展する中、制裁の実効性を損なうとの懸念も根強い。今回の決定について、安保理関係者の間では「人道支援と制裁の厳格運用の両立をどう確保するかが今後の課題だ」との声も出ているという。
