両江道の恵山で金正日専用道路の建設が強行され、住民の被害が続いていると内部消息筋が8日伝えた。
両江道恵山では、去年12月中旬から’白頭山革命戦跡地建設’を目的に発足した‘党思想宣伝突撃隊(略称6.18突撃隊)’の隊員3万人が、サムス発電所とワンドク駅(金正日専用駅)の間で、金正日専用道路(1号道路)の建設工事を進めている。
消息筋はサムス発電所の道路の建設過程について伝え、“1号道路の建設のため、道路の周辺の家を全て壊さなければならないという指示が出て、人々が騒いでいる”と伝えた。
工事が始まり、道路の建設予定地にあった恵山市コムサン洞の14世帯の家は既に壊してしまった状態という。強制的に撤去された家は全て、‘95号工場(両江道の軍需工場)’の住宅だった。
北朝鮮政府が家を失って追い出された人々を全て、“工場で責任をもって面倒を見るように”と押し付けたため、全員‘95号工場’の外郭の建物を仮の宿舎としている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面道路周辺の家も、基本工事が終われば、直ちに周辺の整理作業をして全て壊してしまうと宣布したため、いつ追い出されるか分からない住民たちの不安は大きいという。
この場所は市場からも遠く離れており、商売をするのも難しい。多くが、周辺の山に畑を作って食糧問題を解決してきたが、道路の建設で畑は全て消え、家までも奪われるという状況だ。
家を新らしく作ってくれたとしても、個人の畑を全て失い、今後の生計が大きな問題になる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面道路の建設現場で、ひもじさと寒さに震える突撃隊員たちが、薪のために昼間から村の垣根を壊して、地域の住民の心配も高まっている。住民が抗議したら、“あなたも暮らして、私たちも暮らそう。どうせすべて壊してしまう家ではないか”と、むしろ大声で叫ぶという。
工事の初期にも、建設現場や工事の指揮部の周辺には、“将軍様に仕える姿勢と立場は、私たちにかかっている”、“先軍時代の忠臣の姿勢を見るには、私たちを見ろ!、1日も早く工事を繰り上げて、将軍様に忠誠の報告を!”というスローガンや広報の板があちこちに立てられていた。
だが、工事が始まって1ヶ月過ぎ、今ではこうしたスローガンもほとんど消えてしまったという。突撃隊員たちが夜、全て盗んで薪として使ったからだそうだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面住民の不安を取り除くために、党の事務所の幹部や‘95号工場’の幹部が住民を集めて、“春に新らしく家を作る”と宣伝しているという。
ここの村から10里ほど離れた所に、両江道ポチョン郡イファ里の協同農場の第8作業班がある。
イファリの第8作業班の住民も、2003年に恵山-三池淵をつなぐ金正日専用道路が村の真ん中を通ることになり、家を全て壊して新らしく作った。
だが、新らしい家は屋根と壁だけのものがぽつんと立てられていてオンドルもなく、一部の家では今も土の床の上で暮らしている。北朝鮮の市場でセメントは高値で取り引きされているからだ。
こうした不満を抱えて暮らしていても、誰も意見を言えない。
消息筋は“住民の意見がいくら多くても、‘将軍様に仕える事業’であるため、口にできない。少しでも言葉を誤ったら将軍様の権威を毀損する’言葉の反動’になる可能性があるからだ”と語った。