北朝鮮国営の朝鮮中央通信は2日、国際問題評論家リ・チョルヒョク氏による論評「対米追従が招いた『最上の結果』」を配信した。論評は、7月27日にスコットランドで行われた米国と欧州連合(EU)の関税合意を取り上げ、EUが米国の圧力に屈し「不平等で屈辱的な合意」に応じたと非難した。
合意では、米国がEU産鉄鋼・アルミへの50%関税を維持し、EU製品に15%関税を課す一方、EU側は今後3年間で総額7500億ドル相当の米国産エネルギーや軍事装備を購入、さらに6000億ドルを投資することが盛り込まれたという。
論評は、フランス首相が「暗鬱な日」と評したほか、ドイツやポーランドなど各国首脳が損失や悪影響を懸念していると指摘。ドイツ自動車産業では毎年数十億ドルの損失と最大7万人の雇用喪失が予測され、EU全体の国内総生産(GDP)も0.5%減少するとする分析も紹介した。
北朝鮮側は、この合意は「EUの体質化した対米盲信と屈従政策の必然的産物」だと主張し、欧州が米国依存を減らし戦略的思考を取り戻すべきだと結んでいる。
