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北朝鮮が西海の北方限界線(NLL)無効化を主張し、北朝鮮へのビラ散布を猛烈に批判しているのは、体制引き締めを狙ったものであり、韓国大統領選などに影響を及ぼそうという多目的な狙いがあるものと思われる。

差し当たり、南北間の軍事的緊張を高め、李明博政権の対北政策の失敗と結びつけ、南南葛藤を助長し政権交代に有利な政局に仕向けようとする対南攻勢と分析される。北朝鮮が対南機関の祖国平和統一委員会(祖平統)が運営する対内外メディアなどを通して、連日韓国政府とセヌリ党を「反統一勢力」とし、韓国を非難していることも同じ脈絡である。

実際20日、国防委員会政策局報道官は李明博大統領の「命を懸けてNLL死守」発言に対し、「現在の北方限界線に対する観点と態度は朝鮮半島の平和と安定を望むのか、もしくは対決と戦争を望むのかを分ける尺度。傀儡当局の再執権を狙う保守勢力が、北方限界線問題を新たな北風操作として悪用している」と非難した。

これと関連し、ある北朝鮮専門家は「韓国大統領選後、南北関係の主導権を握るための事前作業の側面もある。与野党の大統領選候補者全員が李明博政権の対北政策を批判し、北朝鮮との早期対話再開を宣言している状況で、南北の相違点を細分化し、今後の協議において有利な局面を整えようという試み」と分析した。

一部では北朝鮮の一連の対南攻勢は典型的な内部引き締め戦略であり、経済難が続く中で不満が高まるや、朝鮮半島の緊張感を高め内部結束を狙っているという推測もなされている。北朝鮮が秋の収穫期であるにもかかわらず、22日から四日間防空訓練を実施していることも同様の理由である。

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そのため韓国国防省のキム・グァンジン長官が20日、江原道鉄原の中部前線で「北朝鮮が内部問題を解決するために挑発行為をするかもしれない」と言及したのも、このような脈絡から生じた発言と解釈できる。

特にビラに対する過剰反応は、外部情報流入に敏感になっている証拠である。最近、金正恩が資本主義的風潮の遮断と赤色分子操作を指示したことも関連がある。労働新聞等でも帝国主義思想文化の浸透を防がなければいけないとし、体制引き締めに一層力を入れている。

またビラには金正恩一家の反人民性が特に露になる内容が含まれている。最も恐れ敬う「最高尊厳」を真っ向から批判しているわけだ。休戦ライン周辺に集中的に散布されたビラが、亡命など軍部隊の規律弛緩に影響を与えうるという懸念も作用しているものと推定される。

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ある高位幹部出身脱北者は「北朝鮮の最近の対南攻勢をはじめ、本日午前の韓国の脱北者団体による対北ビラ散布計画に対し軍事的に対抗しようとするなど、北朝鮮の対外行動は内部問題に由来する側面が大きい。過去、北朝鮮は対外的に緊張状態を造成することで内部引き締めだけでなく、外交舞台で有利な立場を先占しようとしてきた」と指摘した。