中国遼寧省の丹東で働いていた北朝鮮労働者が最近になって、大挙して帰国している。通常、契約期間が終わって帰国すれば、新たに労働者が派遣されるが、あまり行われて行われていない。
中国のデイリーNK情報筋によると、丹東在住の北朝鮮労働者のうち、先月だけでも4000人が帰国した。今月は21日の時点で、2000人が帰国している。
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j情報筋は「今月もすでに2000人余りの朝鮮労働者が帰国の途についた」とし、「一日平均200人余りの労働者が帰国しており、彼らの帰国のために毎日小型バス7台が動員されている」と付け加えた。合計すると既に6000人が帰国したことになる。
正確な数は不明だが、中国には10万人の北朝鮮労働者がいると言われており、情報筋の話の通りなら既に6%が帰国させられた計算になる。また、1日平均200人が帰国しており、1回の帰国には小型バス7台が動員される。そうすると、今年中に全体の1割が帰国させられることになる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面優先帰国対象となっているのは、200人以下の小規模なアパレル、家電工場で働いていた労働者だ。
本来、北朝鮮労働者の新規雇用は、2019年の国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議2397号により禁じられている。しかし、インターンや観光ビザを使って短期滞在を繰り返すなどの手法で、雇用が続いていた。
2020年1月に新型コロナウイルスのパンデミックが始まると、北朝鮮は鎖国状態となり、自国民の帰国すら許さなくなった。そのため、契約が満了した労働者も、中国にとどまり続けた。帰国が認められたのは昨年8月になってからだった。
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北朝鮮は、病気になって働けない人などを帰国させてきたが、あくまでも少人数だった。それが先月からは大量帰国となっている。
丹東の工場経営者の間では、不安が広がっている。北朝鮮労働者は、深刻な人手不足を補う貴重な人材だったが、「1日に200人以上の労働者が帰国するせいで、毎日工場が一つずつ潰れている」(情報筋)との噂が流れている。しかし、帰国は中国政府の方針のようで、反対することも、被害を救済を求めることも難しいとのことだ。
急な大量帰国について、情報筋は中朝関係の悪化を理由に挙げた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「中朝関係の悪化を受け、中国政府は遼寧省にいた北朝鮮労働者を帰国させた。新たな北朝鮮労働者が派遣される計画はまだないと聞いている」
しかし、このような現象は遼寧省でしか見られず、中国政府の意図は不明だ。
(参考記事:「汚い口を押し付けられ…」北朝鮮女性”鬼畜部屋”の生々しい証言)東隣の吉林省では北朝鮮労働者の大量帰国も新規雇用の停止も行われておらず、図們や南坪には100人程度の労働者が新規で派遣され続けている。