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米国の国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官は24日の記者会見で、北朝鮮が少なくとも3000人の兵士を元山(ウォンサン)からロシアのウラジオストクに船で移動させたとし、北朝鮮軍の意図はわからないが、もしウクライナ侵攻に参戦する場合には、軍事目標になると警告した。

(参考記事:金正恩命令も完全無視…ウクライナ派兵「特殊部隊」のグダグダな実態

一方、韓国では脱北者出身の国会議員が、韓国軍が北朝鮮に向けて行っている対北拡声器放送をウクライナに提供すべきとの見解を示した。

与党・国民の力のパク・チュングォン議員は、23日の韓国・東亜日報系のチャンネルAの番組に出演し、ウクライナに対して拡声器放送の提供を積極的に検討すべきと述べた。

パク議員は、拡声器放送を通じて韓国や世界の情報や文化、投降の方法を北朝鮮兵に知らしめることで投降を促し、「最も期待されるのは、指揮官が部隊全体を率いて投降することだ」と述べた。そうして大量の離脱者が出た場合、ロシア軍がその対応に追われ、ロシア軍、北朝鮮軍の双方をマヒさせられるだろうと述べた。

また大量離脱により、北朝鮮軍への実戦経験の蓄積を防ぐことができ、離脱者が多ければ、金正恩総書記に追加派兵を断念させる効果も見込めるとも述べた。さらに、殺傷兵器ではないので、提供にも問題はないだろうとの見方を示した。

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朝鮮半島では現在、南北朝鮮を分断する軍事境界線の韓国側から北朝鮮側に向けて拡声器放送が行われているが、その効果については、少数の亡命者を通じて知る以外に方法がない。これについて同議員は、北朝鮮の若者からなる兵士に対して放送することで、どれほど効果があるのかの試験となると述べた。

なお、ウクライナ国防省がロシア軍兵士の投降を支援するために運営しているホットライン「ハチュー・ジーチ」(私は生きたい)は、「朝鮮人民軍の兵士たちへの言葉」との動画をYoutubeに投稿した。しかし、その内容は「温かい寝床と1日3回の肉入りの食事が提供される」などと、韓国人と思しき男性が棒読みするというもので、プロパガンダの専門家の監修を受けたものではないだろう。

一方で、韓国軍には、長年の経験から、北朝鮮の兵士に対する心理戦のノウハウが蓄積していることは想像に難くない。

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(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

もっとも、拡声器放送で音声が届く距離は数キロ程度とされる。ロシア・北朝鮮側が対戦車ミサイルなどで破壊するのは比較的容易と思われるほか、そもそも砲声の鳴り響く最前線でどれだけ効果を持つかは未知数だ。

それでも、韓国側が持つ心理戦ノウハウを活かせば、何らかの方法で効果を持たせることができるかもしれない。

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