[ソウル 21日 ロイター] – 韓国外務省は21日、ウクライナへの派兵を目的とした北朝鮮軍兵士のロシア派遣について、駐韓国ロシア大使を呼んで抗議し、北朝鮮兵の即時本国帰還を求めた。
韓国の情報機関、国家情報院は18日、北朝鮮がロシア極東地域に特殊部隊1500人を派遣し軍事基地で訓練しているとし、ウクライナでの戦闘に投入される可能性が高いと発表した。
韓国外務省によると、金烘均第一次官は、 ジノビエフ・ロシア大使に対し、ウクライナ戦争への北朝鮮軍の参加は国連決議と国連憲章に違反し、韓国内外の安全保障に深刻な脅威をもたらすと指摘。「ロシアへの派兵を含む北朝鮮の違法な軍事協力を最も強い言葉で非難する」とし、「われわれの安全保障上の核心的利益を脅かす行為に対し、利用可能なあらゆる手段を動員し国際社会と共同で対応する」と述べた。
ロシア大使館のフェイスブックへの投稿によると、ジノビエフ大使は、ロシアと北朝鮮の協力は国際法に沿ったもので、韓国の安全保障を侵害する意図はないとの見解を示した。
大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、北朝鮮兵がウクライナ戦線に投入されるかとの質問には答えず、北朝鮮の協力は第三国に向けられたものではないと述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻への関与を強めていることに対し、各国から強い対応を求めると述べた。
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は21日、韓国の尹錫悦大統領と電話で会談後、北朝鮮がロシアの委託でウクライナに派兵すれば、紛争が大幅にエスカレートするとXに投稿。
中国外務省報道官は、全ての関係国が事態の緩和に取り組むことを期待すると語った。