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北朝鮮の各地には「蒼光院(チャングァンウォン)」と言われるスーパー銭湯が存在する。こちらは国が運営する施設だが、外国人観光客が訪れるレベルのところを除けば、さほどサービスレベルが高いとは言えない。

それで人気なのが、個人業者が運営するサウナやスーパー銭湯だ。金正恩総書記の進める計画経済への回帰策で、個人経営のこれら施設は閉鎖を求められるなどの憂き目にあったが、そのせいで税収が得られなくなった地方政府は、再び営業許可を出すようになった。

財政的には潤うだろうが、すぐに弊害が現れた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、内閣人民奉仕総局は先月10日、「美顔、美容室、マッサージ、銭湯など便宜奉仕施設でのびん乱現象をなくすことについて」との指示を下した。

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これらの店舗では、女性が売春を行っているのだ。また、一般人が気軽に使用できる宿泊施設がないことから、これら施設をラブホテルとして使用し、不倫に及ぶなど、様々な性びん乱の温床になっているのだ。これは民営だけでなく、国営の施設でも起きている。

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「金持ちがスーパー銭湯に行けば、マッサージを受けることになる。施術の途中、客の要求で売春に及ぶ。これはもう社会的には当たり前のこととして受け止められている」(情報筋)

業者は、売春が違法であることを知りながらも、もっと稼ぎたいとこのような行為に及ぶ。当局は違反者に対して、短期の懲役刑、都市からの追放をちらつかせているが、結局は取締官にワイロを支払えばもみ消してくれる。過去にも同様の問題が発生しているが、取り締まったところで、根絶されていないところを見ると、ほとんど意味がないのだ。

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ちなみにマッサージの料金は、足だけの場合10ドル(約1490円)から15ドル(約2230円)、全身は20ドル(約2980円)から40ドル(約5950円)と、北朝鮮の物価水準を考えると極めて高い。

また、国が定めた国定価格が存在しないため、ボッタクリだと思ってクレームをつけようにも、その根拠が存在せず、結局は言い値で払うしかない。売春の国定価格など決めようがないのだが。