これまで「キム・ジュエ」として知られてきた北朝鮮の金正恩総書記の娘の名前が、実は「キム・ジュイェ」であるとの指摘が出ている。
韓国の東亜日報系のケーブルテレビ局であるチャンネルAは今月4日、昨年11月に韓国に亡命したイ・イルギュ前駐キューバ北朝鮮大使館参事の話として、このように伝えた。
イ氏は番組内で紹介されたコメントで「多くの北朝鮮住民がそのように(ジュイェであると)認識しています。『애(エ=愛)』は名前にはあまり使わないのです」と話している。
さらに、番組のレポーターによるとイ氏は、「国家レベルの『革命的愛』を強調してきた北韓では『愛』という漢字を使わない雰囲気だとして、実際は『主(ジュ)』の字に『明るい叡(イェ)』、つまり『輝く叡智を持って主になれ』という意味の名前だ」と説明したという。
なるほど、という気もするが、故金日成主席の2番目の夫人だった金聖愛(キム・ソンエ)氏の名前には「愛」の字がある。もちろん、彼女は特別な地位にある女性であり、庶民とは違うとも言えるが、それは金正恩氏の娘も同様だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、かつて北朝鮮最高峰の万寿台芸術団でスター舞踊家として活躍し、金正恩氏の母・高容姫(コ・ヨンヒ)氏のライバルでもあった朴エラ氏も、「エ」の字は「愛」であったはずだ。探せばほかにも「愛」の字を使った名前が見つかりそうな気がする。
もっとも、イ氏は「人民保安省(警察庁)が住民らに対し、『ジュイェ』という名前を持つ人々に改名を勧告した事実も知っている」とも語っている。金正恩氏の娘と同じ名前を使ってはいけないということだ。
こうした点で、同氏の指摘には具体性がある。それでも、やはり北朝鮮の公式メディアが彼女の名前を明かさない以上、事実を確かめることはできない。
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振り返れば、金正恩氏も父の後継者として登場後しばらくは「ウン」の字が不明で、メディアなどの表記も「運」「銀」「雲」など様々だった。
こんなに簡単そうなことも確認に苦労させるのが、北朝鮮という国なのである。