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ニューヨークに本部を置く国際人権団体「ヒューマン·ライツ·ウォッチ」は7日、新型コロナウイルスの世界的流行に際し、より悪化した北朝鮮の人権状況を調査分析した報告書「銃弾より強い恐怖;北朝鮮の閉鎖(A Sense of Terror Stronger than a Bullet:The Closing of North Korea)2018-2023」を公開した。

北朝鮮を巡っては、国連安全保障理事会の制裁決議が2017年に強化されたのに続き、同国がコロナ流入防止のためとして2020年1月に自ら国境を封鎖したことにより、国境間の人的移動、公式および非公式貿易と人道支援がほぼすべて中断。国内の経済難がいっそう深刻化した。

さらにこの期間、北朝鮮は防疫対策を理由に人々に対する統制を強化。商売や密輸で儲けて豊かな生活をしていたトンジュ(金主、ニューリッチ)たちでさえも飢えに苦しんだ。

平壌のデイリーNK内部情報筋によると、南浦(ナムポ)に住んでいたAさんは、自分名義の船を所有していた「船主」と呼ばれるトンジュで、北朝鮮と中国を行き来して貿易業を営み、市内に2部屋のマンションを持つほど豊かだった。

ところが2022年初め、Aさんは貿易法に違反したとの理由で摘発され、革命化(下方)と全財産没収の処分を受けた。残された家族は、家財道具を売って得たカネで食糧を買うほどの困窮生活に追い込まれた。

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そして同年8月、人民班長(町内会長)が回覧板を持ってAさんの家を訪ねたところ、一家全員が亡くなっているのを発見した。餓死と思われる。

江原道(カンウォンド)の元山(ウォンサン)で、商品を他地方へ運ぶ「タルリギ」という商売を営んでいたBさんも、豊かな生活から奈落の底に叩き落された。

元山では右に出る者はいないというほど手広く商売をしていたBさんだが、コロナによる移動統制で商売をたたむしかなくなった。収入が途絶え、売掛金の回収も滞り、借金地獄に陥った彼は「もはや生きていけない」との遺書を残して、家族を道連れにして命を絶った。

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トンジュすら生活苦に追い込まれる現状について、上述の平安北道の情報筋は驚きを隠しきれないようだ。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

「数年前まで、密輸や手広く商売をしているトンジュが餓死したり、自死したりするほど生活が苦しくなるなんて考えもしなかったが、金持ちだった人ですら耐えられないほど困窮生活に追い込まれている人が非常に多い」

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また、こんな状況に何の対策を打たない国に対して「政治が間違っているから人民が死につつある」と批判する人も増えたと伝えた。