北朝鮮からウクライナのロシア軍に武器弾薬を運んでいたと推定されている船舶が、先月中旬から運航を中断したもようだと、米国の北朝鮮専門メディアであるNKニュースが伝えている。
同メディアは北朝鮮の武器生産の遅延や輸送方法の変更の可能性を指摘しているが、北朝鮮製ミサイルや弾薬の低性能ぶりが指摘されていることもあり、ロシア側からのクレームが理由である可能性も排除しきれない。
同メディアは先月29日、衛星写真の分析結果をもとに、北朝鮮の羅津港に出入りしていたロシア船舶4隻が同月中旬以降、北朝鮮の港に現れていないと伝えた。4隻は昨年8月から12月までの間、羅津港とウラジオストク近隣の軍港であるドゥナイ港の間を行き来し、北朝鮮製の弾薬などを収めたと見られるコンテナを積み下ろししていた。その回数は32回に達したという。
ところが、昨年12月20日頃を境にそのペースが急激に落ち、先月4日と12日に各1隻が羅津港でコンテナを積んで出航して以来、武器運搬との関連が疑われる船舶の行き来が途絶えたという。
北朝鮮はこれまでに、100万発から150万発とも言われる砲弾類をロシアに供給したと見られている。また、ロシア軍は少なくとも24発の北朝鮮製ミサイルを、ウクライナに対して使用している。
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砲弾の多くは、数十年前に生産された備蓄分である可能性が高い。北朝鮮としても、常に米韓との軍事衝突に備えていなければならず、備蓄の減少分を埋め合わせるまで、大量の輸出は難しいかもしれない。
また、制裁下で精密部品を多数必要とするミサイルの生産はやり難しいはずで、いくらでも輸出するというわけにはいかないだろう。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面しかし、ウクライナ当局は北朝鮮がロシア軍に供給した砲弾の半分が性能不良だったとの分析を示しているほか、米国家安全保障会議の資料は北朝鮮製ミサイルの命中率の低さを物語っている。そのため韓国の軍事専門家は、ロシアがイラン製のミサイルを選択し、北朝鮮製をキャンセルした可能性を示唆している。
あるいは、国内での兵器生産能力を増大させているロシアが、北朝鮮製兵器への依存度を下げている可能性も排除できないだろう。