中国・公安と北朝鮮・保衛部の合同捜査によって瀋陽などで逮捕された脱北者24人が、図們の収容所で拘留中であることが伝えられた。

保衛部は連日北への送還を要求しているが、強制送還に反対する世論が高まった事を受け、送還を先送りしているという消息だ。

中国・公安当局の情報に詳しい消息筋は22日、「瀋陽で逮捕された19人、長春と他の場所で逮捕された5人を含む24人の脱北者が図們収容所で拘留中」と伝えた。

通常は瀋陽で逮捕された場合には丹東に護送されるが、今回は延吉の公安と北朝鮮の保衛部が合同で行った捜査の為、図們で勾留されているという。

消息筋は「国際社会と韓国政府の抗議が激しくなり、公安幹部が状況を見守っているようだ。調査は終わったが、北送を先送りしている状態。保衛部が連日北送を要求しており、苦悩しているようだ」と語った。

北送反対世論が高り、中国政府は脱北者の身柄処理に苦心している。しかし、中国政府が脱北者を経済問題による不法越境者と規定しており、抗議の声が収まる頃に送還される可能性が高いと思われる。

今回逮捕された脱北者は北送後に保衛部の調査を受けた後、政治犯収容所送りや銃殺刑に処される可能性が大きい。

親族訪問目的で中国に滞在中の北朝鮮住民は「今回逮捕された人々が韓国入りが目的だという事が明らかになると、祖国の名誉を汚した反逆者という罪状で無条件で処刑される」と述べた。

金正恩は、脱北者の射殺や 3代滅族などの過激な指示を下しており、事態が大きくなった今回の場合にはより過激な処罰が下る可能性がある。

昨年9月に中国・公安に逮捕され強制北送された脱北者19人の場合、16人は保衛部での調査後に政治犯収容所に収容されたという。内部消息筋は「昨年の19人の場合、咸鏡南北道出身者の16人は既に政治犯収容所に送られた」と話した。