韓国政府の脱北者就業支援政策が、早急に修正・補完されなければならないという指摘がある。特に脱北者の失業率を下げるためには、現在の就職奨励金制度等の改善が必要だと言われている。
現在、政府は脱北者の自立・自活支援において、現金支援ではない就業支援や教育訓練プログラムの開発に注力している。
2012年の就職と関連した統一部の予算は144億ウォンが策定されており、北朝鮮離脱住民支援財団の就労支援プログラム予算は50億ウォンである。これに加えて、雇用労働部の予算から支援されている職業訓練の助成金まで含めると、約200億ウォンに達する予算が脱北者の就職支援に投じられている。
統一部の予算は、職業訓練・就職・資格取得奨励金などに使われる。具体的には▲500時間以上の職業訓練修了時には120〜240万ウォン▲国家技術資格証取得時には200万ウォン▲就職後1、2、3年目に550、600、650万ウォンを支給するプログラムを行っている。
支援財団は、就職支援室の運営、雇用促進説明会、就職促進、社会的企業支援などに予算を使っている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「助成金方式の脱北者就職支援制度は修正・補完されなければならない」
このような就職支援制度は、脱北者の就職活動や就職への意欲を高めるせる役割を果たしたとの肯定的な評価と同時に、実質的な就業を達成する上では依然として不十分であるとの指摘を受けている。
統一部当局者は「脱北者雇用と関連した制度は、外国人労働者の基準に合わせられており、脱北者に沿った政策ではないと言える。脱北者の就職支援制度に関連する研究結果などを通じて修正・補完していく方針」と述べた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面脱北者は、就職支援制度が助成金方法から脱皮する必要があると、異口同音に述べている。
助成金が一定の部分の脱北者に就職意識を刺激しているが、多くの脱北者が現金支援に関心が高く、3年以上の長期就業につながる場合が少ないという。 3年間職場で働く場合、合計で1800万ウォンの就職奨励金を受け取るが、多くの脱北者はこれを目当てに3年間だけ就業するケースが多いという。
現金支援による就職誘導するよりは、長期的な就業に向けた支援政策の開発が必要とされる。また、就職後も、安定的な職場生活のための支援も必要である。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面匿名を要求した専門家は「現在は現金支給で3年間の離職を留める効果を上げているが、この様な現金支援は、根本的な問題があるのは事実である」と話した。
統一部当局者は「就職支援センターを通じて就職相談を強化し、良い仕事を探しだして斡旋する支援を強化する必要がある。特に、就職後に毎月の勤続状況のチェックなどの事後管理を強化し、職場内の問題解消を行う専門カウンセラーがより必要となる」と述べた。
「脱北者の就職と関連した認識を転換させるプログラムを開発する必要がある」
また、脱北者らは、20万ウォンが支給される職業訓練奨励金制度も手直しが必要だと指摘した。就業と関連した脱北者の認識転換を支援するプログラムの開発も必要であると指摘した。
看護補助者の職業訓練を1年間受けた経験がある脱北者は「政府が職業教育を受ければ現金を支給するので、実質的な教育が行われない部分がある。就職に向けた教育というよりは、手当を受けるために教育を受ける場合が多い」と指摘した。
ホ・ソンwン北朝鮮民主化ネットワーク企画室長は「職業訓練が就職につながるケースがほとんどなく、職業教育を受けた脱北者が関連した分野に就職した場合にのみ手当を与える案を検討すべき。脱北者がより積極的に求職と就職活動を行うことができるように、脱北者の認識を転換させるプログラムの開発も必要だ」と述べた。
脱北者の個人能力にそった職業訓練を行う事で、既存の問題点を解決しなければならないとの指摘もある。
専門的な職業訓練機関の新設と、この機関への体系的な支援によって就業を支援すべきである。
チョン・グクヨン韓国立体教育情報院院長は「脱北者は初めの頃は韓国の表現をよく理解していないため、初期の職業教育は脱北者が行い、その次に韓国人が専門的な教育を行う段階的な体制が必要だ。政府の教育機関への支援の体系化と管理監督の強化を通じて、職業訓練の質を高めなければならない」と述べた。
また、政府が就職支援制度を積極的に広報する必要がある。脱北者によると、住宅や生活費の支援と関する情報のほとんどは把握しているが、就職支援プログラムを把握している人は少ないという。
ソウル大学のパク・ジョンラン統一平和研究院研究委員は「離脱住民支援財団が、就職支援と関連して脱北者の意見を聞き取る必要がある。形式的に終わる事なく、客観的な評価を元に補完する形で広報を行なっていかなければならない」と述べた。
ソ・ジェピョン北朝鮮民主化委員会事務局長も「離脱住民支援財団は、現在の四半期ごとの資料発表ではなく、より頻繁に発表する必要がある。今の資料では具体的な求人事例や政府の政策などの情報が不足している」と指摘した。