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北朝鮮体制に不安をもたらしていると評価されている市場化が、むしろ金正恩体制を安定的に維持させる手段として活用されるという主張が2日に提起された。

イ・ウヨン北朝鮮大学院大学教授は、朝鮮半島フォーラム、高麗大学平和民主主義研究所、BK21韓国政治学の世界化教育・研究団が共同で主催した学術セミナー「金正日後時代の朝鮮半島」で、「軍部や権力機関に所属した既得権層が市場で新たな利益を創出しながら、既存の体制を強化する結果をもたらすだろう」と主張した。

イ教授は「(市場化は)北朝鮮体制の不安をもたらす可能性がある要因だが、市場を通じて登場した社会主義資本家らは体制変革を追求するのではなく、既存の支配集団と結託したり、支配集団に編入され、社会体制の安定度を高めるだろう」と説明した。

北朝鮮の市場化によって登場した資本家らは、自身の事業発展の為に既得権と手を結ぶと、同教授は説明した。

特に、配給体制が崩壊した状況での市場統制は「家庭経済の破綻」を意味するほどに、波及効果が大きい。一般住民も市場統制が強化されると幹部に賄賂を提供し、暗黙的な商取引活動が保証される。

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結局、このような一連の過程の反復が体制を強固にするという指摘である。

実際に、多くの北朝鮮の権力者も市場を通じて統治資金を作り出している。金正恩の叔母である金慶喜(キム・ギョンヒ)は、幹部らに韓国の支援物品を卸売するよう指示したとの証言もある。幹部と商売人が結託し、支援物品を市場で販売している。

しかし、この主張は、北朝鮮の市場化が一般住民の間でますます拡散しながら、支配国「の枠組みを根底から崩す役割を果たすという分析とは異なっている。

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これに加えイ教授は、金正恩の登場が体制安定化に肯定的な要素として働くとの主張も提起した。「金正恩のスキンシップ、活発さ、若く意欲的な姿を宣伝扇動の材料として上手に活用すれば、一般住民には説得力があるだろう」と語った。

続いて「金正日の死亡は適切なレベルで危機意識を喚起させる方向で活用することで、体制安定化において肯定的な影響を及ぼすだろう」と付け加えた。

また、イ教授は外部情報が体制の変化を導く重要な要素だという主張に対して「外部情報の流入は、体制転換の方向性に作用するものではない」と述べた。

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「北朝鮮は過去と違い、外部世界の情報流入が増えても、既に住民は韓国が先進化している事実を知っている。しかし、毎日の生活の問題が重要であり、韓国への憧れが体制転覆には繋がらない」と語った。

これは、外部情報の流入によって住民の反体制の認識が高まり、長期的には体制転換への重要な役割を果たすという主張とは大きな違いを見せている。