北朝鮮政府が市場の統制を加速化している。
10月の南北首脳会談以後、市場で商売をする女性たちに年齢制限をもうけ、39歳以下から49歳以下に禁止の幅が拡大しそうだ。公式に男性は職場に籍を置いていなければならないため、女性が主に商売をし、また女性が制限の対象になっている。
デイリーNKが北朝鮮の市場の現状を調査した結果、政府の統制措置で市場が閑散としてはいたが、取り締まり員にわいろを与えればまだ商売が可能なだけでなく、地方では積極的に取り締まりが行われていなかった。
また、生活の問題と直結した商売の統制で、住民の反発の声はいつになく高まっている。北朝鮮の市場の現状を調査した。
◆ 市場の現状 = 正確な統計ではないが、市の場合おおよそ3~4つの市場が存在していると把握されている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面人口が最も多い平壌(19の区域)は区域ごとに市場が1ヶ所ずつある。‘統一通り’は人口が多いため、市場が2ヶ所ある。行政区域上、平壌市に属しているカンドン区域の場合、3ヶ所の市場がある。小規模な市場は67号軍需品工場市場と、ハリ駅前市場があり、比較的規模が大きな市場はカンドン邑市場だ。
中朝貿易の基点になっている新義州の場合、南新義州に1ヶ所、新義州に3ヶ所(チェハ、南中、東西(平和市場))ある。平壌に続き第2の都市と呼ばれる清津にも、大きな区域には市場が2ヶ所ずつ存在する。郡の場合は大部分の邑に市場が1つずつあり、小規模の農民市場が1~2ヶ所ずつある。
※ 平安北道の郡ごとの市場の現況
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◆ 市場の平均収入 = 市場は田植えの季節と収穫期の支援の時期を除き、活性化している。だが最近、価格の統制と商売の許容年齢の制限などの措置が取られ、随分閑散としているという。
平壌市の場合、普通市場の1間で50~60人程が商売をしていたが、現在は7~8人だけが商売をしている。そのため、市場で良い品物を求めにくくなった。
売台(屋台)の1日の平均収入は商売の品目によって違う。農産物の場合、1日平均3,000ウォン、水産物の場合5,000~6000ウォンも稼げる。工業品は10,000ウォン程度の収入がある。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面◆ 商売の統制品目 = 商売の許容年齢の制限に続き、市場で販売できる品目を制限する措置も拡大している。
会寧を中心に咸鏡道地域では、電気釜や電気でおかずを作る器具、自動車のタイヤ、車の部品、ディーゼル油、ガャ潟刀A牛肉、薬品、電気もうふ、録画機(VCR、北朝鮮のものは市場で販売することができず、国家が運営する商店だけで販売可煤j、ゴムベルト、ベアリング、溶接棒、電動機、電気線、お酒、ビール、外貨、DVD(公式に売ることができる所は国家が指定した‘ハナ電子販売所’だけだ) などの販売が制限されている。
市場の統制は市場の管理員たちが巡察をする形で行われる。市場の外では安全員(警察)が商売を統制する。人によって統制の強度が異なるが、わいろを与えた場合は形式的に行う。
◆ 市場の統制の反応 = 咸鏡道の場合、会寧や茂山、清津などの主要都市を除いた小さな都市や郡などでは、市場の統制の方針が下っても、市場の活動が通常通り行われている。
小規模な都市や郡は狭い地域であるため、互いに知っている人が多く、取り締まりも積極的に行うことができないという。また主要な都市の場合も、商売の制限年齢である40歳以下でも商売をする人が多くて、市場でできなければ路地などで相変らず品物を売っている。
政府の統制措置に住民たちの不満はますます高まり、口げんかまで見られるという。
“あんた逹は国家がくれる配給をもらって、おれたちのような人を選んでわいろを取るから腹一杯に暮らすことができるが、おれたちはこうしなければ1日暮らすことができないのに、何で統制をするのか”と食ってかかり、悪口も躊躇しないという。
◆ 統制の中、軍人も密かに商売 = 最近では生活が苦しい一部の兵士と軍官が、軍糧米の一部を抜き取って市場の商人に売っているという。軍人たちは一般の人に比べて厳格な統制を受けるため、個人的なお金儲けをするのは困難だ。
生活難を経験した下層の軍人たちは、自分たちに供給される一部の軍需用非常食糧を密かに抜き取って売っている。軍需用の非常食糧の種類は、リョンャ涛?チ工工場で作った牛肉の缶詰め(市場での取り引き価格が3,500ウォン)、イ・ミョンス缶詰め(市場での取り引き価格が2,500ウォン)などだ。
だが、取り締まりにあえば処罰が非常に厳しいため、知り合いの間だけで密かに取り引きされている。