北朝鮮当局が咸鏡北道などの国境地域に保衛司令部所属の軍人を派遣し、住民の動向を注視していると伝えられた。
また、人民班会議では、金正日死亡と関連した哀悼行事を除いては5人以上が集まってはならなとの指示を下した。騒擾事態などの万一の事態を事前に遮断するための措置とみられる。市内の至る所に武装軍人や保衛員、保安員、法機関労働者が人の流れを統制している。
咸鏡北道茂山の消息筋は20日、デイリーNKとの通話で「保衛司令部所属の一般兵士8人がやってきた。住民の騒擾が起こる可能性に備えて派遣されたと聞いている」と話した。
保衛司令部は、普段から党と法機関所属の幹部に対する捜査・逮捕権限が付与されており、住民の恐怖の対象となっている。反体制活動の摘発・処罰を行う権限を持っている。
また「保衛員が19日午後5時頃、人民班長に哀悼行事以外で5人以上が集まってはならないと指示した」と伝えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面これと関連し、穩城の消息筋は「人民班会議で、『哀悼期間に非行行為があってはならない。黙っていろ。数倍の対価を払う事になる』と脅している」と話した。
これに加えて、国境地域の規制も大幅に強化された。平常時には国境警備隊だけが警備を行なっていたが、現在は教導隊も動員して警備している。
消息筋は「豆満江に近い第1線は国境警備隊、第2線は教導隊、第3線は企業所から派遣された人々が警備している。担当区域で事故が発生した場合、担当者から単位責任者まで全員を処罰すると脅している」と述べた。市内を丸ごと包囲する様な状況だと消息筋は説明した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面このような当局の統制は、金日成の死亡当時とは大きな違いがある。1994年に金日成が死亡直後は、国境警備の強化や軍を動員した流動人口の調整は行わなかった。
茂山の消息筋は「首領様(金日成)が死去した時は自発的に哀悼する雰囲気だった。当時は特別な統制もなく、『哀悼期間なので事故を起こさない様に』との指示があっただけだ」と述べた。
一方、両江道では普天堡戦闘勝利記念塔に弔問者が続々と訪れている。両江道の消息筋は「市内は哀悼の雰囲気で、老若男女を問わずに記念塔を参拝している。昨日から現在まで絶えず訪れている」と伝えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「泣く人もいるが、淡々としている人もいる。大抵は何も知らない子供たちが泣いており、大人が号泣する姿は見かけない」と付け加えた。