金正日の死亡が、今後の北朝鮮の対外政策に与える影響に注目される。
権力を継承する金正恩にとって、当分は金正日死亡による体制の不安定性を沈静化させる必要があり、米国、韓国との関係が小康状態に陥ると予想される。これと関連し、米国政府は北朝鮮との非核化対話に進展が望みにくいと明かしている。
専門からは、金正日が死亡した事で北朝鮮の対外行動にこれまで以上に不確実性が高まったと分析している。北朝鮮が体制の安定を取り戻した後に、金正恩時代の対外政策が表面化すると思われる。
しかし専門家は、中長期的には金正恩体制も、米朝、南北関係において北朝鮮の政策に大きな変化がないとみている。
金正恩時代へとソフトランディングする為に、国際社会との関係回復に乗り出す可能性が高いという指摘も提起されている。特に、金正日は生前にウラン濃縮プログラムの進行の中断など、米朝関係改善の動きを見せており、このような対外関係を維持し続けるものと見られる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、金正恩への権力継承は金正日と比べると急速に進行された面があるが、現在の後継体制で異常兆候が発見されておらず、対内外的に大きな混乱が起きていないと観測される。
キム・ヨンス国防大教授は「北朝鮮の内部情勢の不確実性が高くなったが、今後は安定局面に入る可能性が高い。後継体制の安定に向け、米朝関係や南北関係の改善に乗り出すだろう」と展望した。
「金正恩は核問題による国際社会との葛藤の解決、韓国との関係の設定、北朝鮮住民の民心の確保などの問題に直面している。最近になって北朝鮮が示している米朝・南北関係改善の動きは、金正日の戦略的な判断によって行われており、金正日の死亡によってスタンスに変化は起こらないだろう」と付け加えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面チョン・ヒョンジュン統一研究院研究委員も「権力基盤の安定性の違いはあるが、金正恩の権力システムは脆弱ではないので、内部の急変状態よりも安定方向に向かう可能性が高い。今後、金正恩は対外政策における緊張の高まりよりも改善に向かうだろう」と述べた。
一部では、金正恩が金正日死亡によって発生する危機を上手く対処出来ない場合、米朝、南北対話が長期的な小康状態に陥る可能性があると観測している。
また、金正恩が国内外で発生するさまざまな変数に対して適切なリーダーシップを発揮できない、または党軍幹部に対する掌握力が低い場合、内部で急変状況が生じる可能性も排除できない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面特に、金正恩が内部の混乱を克服する手段として軍事挑発を行うなど、危機的状況を造成する場合、米朝、南北関係がさらに悪化すると予想される。
ムン・スンボ世宗研究所研究委員は「実質的に金正恩後継体制の求心的な役割だった金正日が死亡し、北朝鮮体制の不安定性がより高まるだろう。特に軍部内の権力暗闘などにより金正恩後継体制が揺らぎ、対外政策が悪化する可能性がある」と展望した。
引き続き「北朝鮮の不安定性の深化は、対外政策の改善ではなく、軍事挑発につながる可能性が高い。北朝鮮内部で軍部勢力が強まる場合には、強硬な対外政策に旋回し、南北関係が悪化するだろう」と見通した。