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最近、北朝鮮の教化所(刑務所)から受刑者が脱獄する事件が多発している。

同国の拘禁施設に詳しいデイリーNK内部情報筋によると、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸興(ハムン)教化所で今年1月、密輸と中国キャリアの携帯電話の使用、人身売買に加担した容疑で懲役刑を受け、収監されていた受刑者が脱獄する事件が起きた。この受刑者は48時間以内に逮捕された。

一方、平安南道(ピョンアンナムド)の价川(ケチョン)教化所では昨年1年間に、17件もの脱獄事件が発生した。そのほとんどが短時間で逮捕された。

年間に17人もの脱獄したということは、管理体制に問題があることに他ならないが、その現状や脱走の手口について、情報筋は触れていない。

なお、別の複数のデイリーNK内部情報筋は咸鏡北道(ハムギョンブクト)化城(ファソン)の16号管理所(政治犯収容所)で2007年2月、120人もの収容者が集団脱獄する事件が起きたと伝えている。その手口は、外部の協力者によって持ち込まれた大きなのこぎりで鉄条網を切断し、棍棒で看守を制圧した上で脱出するという計画的かつ大胆なものだ。

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2012年2月には、咸鏡北道会寧にあった22号管理所に収容されていた平壌出身の女性と管理所長の運転手が脱走して、中国に逃れる事件が起きている。2人は管理所長の車に乗って国境まで行き、そこで乗り捨てて川を渡ったという。

(参考記事:北朝鮮、脱北した収容所脱走者の追跡に必死

逃走に失敗して教化所に連れ戻された場合、どのような処分が待っているのか。

まず、1カ月から3カ月もの間、独房に閉じ込められ、入浴や服の着替え、運動など一切許されない。また、ただでさえ少ない食事が半分に減らされる。さらに、減刑や恩赦の対象から除外される。

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逃走中に犯した犯罪については、通常の司法手続きを経ず、教化所が独自に捜査して判決を下す。教化所の受刑者は公民権が剥奪されているので、裁判を受ける権利すら保証されない。多くの場合、強度が通常の2〜3倍の強制労働をさせられる処分を受ける。

中には無期懲役や銃殺の処分が下される場合もあるが、ちょっとしたことで銃殺刑にされる管理所に比べれば、まだマシな方と言えよう。

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一方、北朝鮮在住だったベネズエラ人のアリ・ラメダ氏とフランス人のジャック・セディヨ氏が収監されていたことで知られている沙里院(サリウォン)教化所は、少し変わった所だ。

ここには逮捕された幹部の家族や、管理所送りになる前に自白した人などが収監されているが、国際社会の要求に応じて公開するために整備された拘禁施設でもある。8割の人が面会可能で、収容人数も400人に満たないという。

(参考記事:スパイ容疑で北朝鮮に逮捕された男性、変わり果てた姿で家族のもとへ