北韓人権情報センター・北朝鮮人権記録保存所は16日に発刊した「北朝鮮人権事件レポート3」で、教化所では受刑者を治療せずに放置し死亡に至らしめた人権侵害事例を公開した。

北朝鮮人権記録保存所は、北朝鮮で発生している残酷な人権侵害事例を知らせるために、今月初めから定期的に北朝鮮人権事件レポートを発行している。このレポートは、北朝鮮で人権侵害を行った加害者の身元を明らかにし、北朝鮮の人権問題発生のを目的としている。

この日公開されたレポートによると、人権侵害被害者Aさんは教化所に収監さ当時、手足が痺れる症状の持病を持っていた。Aさんは2004年9月に脱北し在中韓国大使館に向かうが、中国の公安に摘発・強制送還された。

レポートでは「その後、Aさんは3年の更正刑を宣告され、教化所に拘禁された。Aさんは持続的に関節の痛みを訴えたが、教化所は治療を行わずに放置し、1ヶ月後にAさんは死亡した。しかし、彼の母親すらにも死亡事実を伝えなかった」と明かしている。

Aさんの死を目撃した証言者は「教化所は死亡しても家族に連絡しない。直接訪ねて確認しなけれならない」と証言した。Aさんの母親は証言者から息子の死を聞いたという。

レポートは「国際人権条約によれば、この事件は、市民的及び政治的権利に関する規約（B規約）第10条1項、第6条1項に違反している。朝鮮民主主義人民共和国の刑法第6条では、医療活動家が治療と看護を不誠実・失敗、投薬の誤りなどで患者の健康に害を与えた場合には、2年以下の労働鍛錬刑に処するとある。また、患者を死亡させた場合には、3年以下の労働教型に処するとある」と指摘した。