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韓国の東亜日報は22日、北朝鮮情報筋の話として北朝鮮政府が25日から国内での外貨の使用を全面禁止したと報じた。

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この措置についてデイリーNKは25日午前、北朝鮮内部情報筋で貿易業者のキムさんと通話し、事実であることを確認した。キムさんは「22日から外貨使用を禁止する政府の内部指示があった」と述べたが、一方で「しかし、厳しい統制が成り立たず、相変らずドル貨幤などの外貨が通用する」として、取り締まりが行われていない状況を明らかにした。

キムさんによると、以前にも外貨の使用禁止令が出されたことがあり、海外との決済にだけ外貨の使用を認め、「パックントン」の使用を義務付けた。

パックントンとは、外貨と両替した場合に渡される外貨兌換券で、旧ソ連、中国など旧共産圏でも発行されており、北朝鮮でも1979年から発行が始まった。一般の北朝鮮ウォンと同じ価値を持つことにされていたが、実際は数十倍で闇両替されていたが、2002年の7・1措置で、外国人は国内で外貨を直接使用する制度に切り替えたことで、廃止された。それが今回復活した形になる。

しかし、今回の措置には大きな問題があるとキムさんは指摘する。

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貿易業者が中国から商品を輸入しても、国内で外貨の調達ができなくなることで、貿易そのものが止まってしまうというのだ。工業製品の多くを中国に依存している北朝鮮としては深刻な問題になりかねない。

今回の国内での外貨使用禁止令は、国民の持っている外貨を吐き出させ、国庫に吸収する目論見があるものと思われる。制裁で海外での資金調達が困難となり、国内に目を向けたというわけだ。しかし、2002年の措置の後も、国内では外国人のみならず北朝鮮国民も当たり前のように外貨を使用する状態が続いたことを考えると、今回も当局の思い通りにならないと思われる。

ちなみに、北朝鮮の市場での為替レートは、1ドルが3200北朝鮮ウォン、1元は340北朝鮮ウォンだ。昨年12月には1ドルが4000北朝鮮ウォンとなっていた。