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北朝鮮が大々的に祝う7月27日の「戦勝節」。正式には「祖国解放戦争勝利記念日」といい、朝鮮戦争に「勝利した日」としている。

ただ、当局のプロパガンダにもかかわらず、北朝鮮国民の多くは、これが単なる休戦協定が締結された日であることに気づいているようだ。

(参考記事:朝鮮戦争「戦勝記念」を冷めた目で見る北朝鮮の人々

この日に合わせて、当局は若者を対象にした思想教養事業(思想教育)を大々的に行ったが、当の若者の反応は冷淡なものだった。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

清津(チョンジン)市の社会主義愛国青年同盟は、先月20日から26日まで、「火線勇士の英雄的闘争精神と祖国守護精神を積極的に学ばなければならない」というタイトルの集中講演会を開いた。

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そこで配られた資料の内容は、おおむね次のようなものだ。

1950年の勇士たちが発揮した祖国守護の精神は、白頭の革命精神を受け継いだ偉大なる時代精神。戦火の中で想像された祖国守護精神は、われわれ新世代の青年が、老兵から受け継ぐべき貴重な遺産。

1950年代の祖国守護精神、それはわれわれの首領第一主義と祖国に対する愛、首領観と祖国観が一つに結合した愛国主義精神。青年たちは、米帝をはじめとする階級の敵どもの侵略的で略奪的な本性は絶対変わらないことを一瞬たりとも忘れてはならず、血で勝ち取った革命の戦果である社会主義祖国の一番先頭で、決死擁護保衛する総爆弾にならなければならない。

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引き続き、「老兵たちとの集い」などのイベントも開かれたが、若者たちの反応は極めて冷淡なもので、「いつまで忠実性教養ばかり受けて生きろというのか」などの声が上がったという。

情報筋は、幼少期から今に至るまで20年以上にわたり思想教育ばかり受けさせられることに幻滅している若者が多く、何から何まで党の方針と指示どおりに行動せよという教えに対して「自分たちはあやつり人形か」と言って顔をしかめる者もいたという。

情報筋はまた、「若者が求めているのは、政府の指示や統制ではなく、些細であっても自由な日常」だとし、「若い頃にいい思い出づくりをすべき若者が、政府から肉体的、精神的統制を受けてばかりいて、喜ぶものか」などと吐き捨てた。

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北朝鮮では、朝鮮戦争の勃発した6月25日から7月27日までを反米共同闘争月間として、この手の思想教育が繰り返されるが、若者の反応が冷淡なのはどこでも同じようだ。

米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)の情報筋は、咸鏡北道の茂山(ムサン)鉱山で6月24日、青年同盟の主催の反米教養の集いが開かれ、米帝が戦争を起こした、3年間に渡って民族抹殺蛮行を繰り返したとし、戦争映画を鑑賞。米国と南朝鮮(韓国)が再び戦争を起こせば、若者が先頭に立って首脳部を死守しようとの決議が行われた。

しかし、配給、無償の教育、医療と言った国からの恩恵を受けたことのない若者たちは、「なぜ大切な命を戦争に捧げなければならないのか」との反応を示した。

平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋は、現地でも同様の教育が行われたと伝える一方で、若者たちは外国の放送を密かに聞いて、戦争は北朝鮮が起こしたこと、米国は世界的な超大国であることを知っており、この手の教育は全く通用しないと述べた。

(参考記事:北朝鮮の思想教育、出席率悪すぎで関係者やきもき