北朝鮮政権は『2012年強盛大国の門を開く』との国家的スローガンを掲げているが、その成果を誇示するため平壌で大規模な建設工事を進行している。『革命の首都』平壌の外観を近代的に整備して体内外的に業績として誇示する目的があると思われる。
内部消息筋によれば、北朝鮮当局は目標の達成にむけて軍人や大学生を大挙、工事現場に動員している。しかし、彼らは熟練した建設作業員ではないことから現場では人命に関わる事故が頻繁に発生してという。さらに資材不足や不安定な配給によって工事の進展も遅いという。
先月初め、北朝鮮を訪れた米国のある観光客は、至る場所で工事が盛んに行われている平壌の様子をオンライン写真共有コミュニティ・サイト『フリッカー』にアップした。
これらの写真では、装備が不足していることから「人力」によって建物を解体する様子や音楽隊を動員しながら建設労働員を鼓舞する様子、そして平壌の至る所で建設労働員が住む臨時住宅などが映しだされている。撮影者の許諾を得て一部をここに紹介する。
1970年代後半に平壌中区域のリュソン洞に建てられた6階アパートが11階の高さに増築されている様子。このアパートには『101連絡所職員』が住んでいたという。
建設現場では『クホ』という大小のスローガンが見られる。
高層建造物の工事現場の前に貨物トラックが並んでいる。
『平壌駅』近辺で建物の解体作業を人力でする様子。
『平壌駅』近辺で建物の解体作業を人力でする様子。
工事現場の前では音楽隊が演奏をしている。その横に見える貨物トラックに書かれた『89番』という数字は首都建設総局の車両番号を示す。
船橋(ソンMョ)地区船橋閣(ソンMョガク)から500mほど離れていると見られる場所。建設労働員のための臨時住宅と推定される。裏手に見えるのは『主体思想塔』だ。
大同江(テドンガン)に沿って万景台(マンギョンデ)方向に建てられた橋の下にも建設労働員のための臨時住宅が設置されている。