2004年4月22日昼12時15分。平安北道龍川郡の龍川駅で大規模な爆発が起こった。新義州を経て中国から帰国していた金正日が、数時間前に通過した駅だ。数千人の死傷者を出したこの爆発事故は、金正日に対する暗殺と考えられ、全世界の注目を集めた。
北朝鮮当局は、硝酸アンモニウム肥料を積んだ貨車と石油を積んだ貨車を交換する過程で事故が発生したと発表した。しかし、暗殺未遂などの噂が広がった。
龍川出身の脱北者らによると、北朝鮮住民も龍川郡の安全部長と保衛部長が突如姿を消した事から、金正日を狙った暗殺未遂だったとの噂が密かに広がった。しかし、全ての情報が徹底的に統制されている北朝鮮で、これを立証する方法はなかった。
しかし、先日に金正日が同爆破事件は自身を狙った暗殺未遂であると言及した。現代グループの玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長に会った際の発言であり、事実の可能性が高い。
金正日の発言が事実であるなら、果たして誰が金正日を殺そうとしたのだろうか?この爆破事件は一般住民が行えるレベルではない。最高機密の金正日の動線を把握し、1号警備のセキュリティをくぐって駅周辺に爆発物を設置しており、爆発規模からみて相当期間に渡って緻密な準備を行ったと思われる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面朝鮮中央通信は爆発の規模について、「1t規模の爆弾100発が瞬間に一箇所で爆発したレベル。強力な爆音と暴風で失明又は鼓膜が破裂した被害者が多数発生し、爆発地点から1kmの周囲は完全な廃墟となった」と明らかにした。この様な結果から総合的に考慮すると、事件にエリートが加担した地下組織が介入した可能性が高い。
北朝鮮で反金正日組織の結成は不可能と言われている。当事者だけでなく、親族一同を殺害し政治犯収容所に収容する環境で、反金正日の組織の結成は容易ではない。
しかし、不可能と難しいとではまったく別の話である。故・黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ)元労働党秘書が証言した反金日成活動で平壌で起こった「私たちの闘争」、第6軍団事件など、組織的な反体制活動についてよく知っている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面現在の北朝鮮社会は、以前とは違った姿を見せている。この変化の核心は住民である。過去の制御適応型だった住民の態度が、反体制型に変化している。公開的な場所での軽い非難は可能となり、現在は偽装忠誠を行っているが反体制活動が起きる場合、暴力的に瞬時に北朝鮮全土で起こるだろう。
特に、貨幣改革は住民に決定的な契機となった。住民が誰が真の敵であるかを実感したのだ。最近になって頻繁に発生している落書きの闘争などが、これをよく物語っている。北朝鮮社会が今は平穏に見えるが、水面下はそうではない。第2、第3の爆発事件が起きる可能性も排除できない。
龍川駅事件のグループが一網打尽にされていないなら、新たな目標に向かって動いているだろう。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮の未来が、彼らによって変わる可能性も少なからず存在している。最も重要な事は、北朝鮮の真の態度の変化を望むのであれば、崩れかけの政権への未練を捨てて、いち早く民主化運動から答えを探さなければならない。