7日、東京千代田区明治大学で、北朝鮮人権国際会議「脱北者、北朝鮮専門家、世界各国のNGO、人権活動家が語る北朝鮮の今【主催:ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)、フリーダムハウス、国際人権連盟(FIDH)】」が開催された。
午前に開かれた「人権侵害のサバイバー/関係者たちの証言」では、人権弾圧の被害者である4人の脱北者が収容所の実態を話しながら北の人権問題の解決を訴えた。
注目を集めたのは、1985年12月北朝鮮対南工作部での誘引作戦に抱き込まれて北朝鮮へ入国して1992年に韓国に帰還した呉吉男(オ・ギルラム)博士の証言だ。呉博士の妻の申淑子(シン・スクチャ)氏と二人の娘(ヘウォン、キュウォン)は、燿徳(ヨドク)収容所に収監されているが、「北朝鮮民主化運動本部」代表のキム・テジン氏は興味深い話を明らかにした。
「収容所でワッフルを作る道具をもっていた女性がいました。その女性こそ呉吉男(オ・ギルナム)さんの奥さん$淑子(シン・スクチャ)さんではないかと博士に話したら呉氏は『間違いない!』と言ったのです」
証言には、拉致被害者曽我ひとみさんの夫であるチャールズ・ジェンキンス氏も参加。ジェンキンス氏は、2002年の小泉−金正日会談についてはラジオを通じて知ったという。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「ラジオでこっそりとボイス・オブ・アメリカ(VOA)を聞いていましたが、金正日が小泉元首相と会談して拉致を認めたことを知りました。妻には『もうすぐ日本へ帰られるよ』と言ったのです」
その後、曽我ひとみさんや一部の拉致被害者は帰国したが、今でも拉致被害者が捕らえられている。また、今回証言した脱北者も家族を残している。証言者達は「根本的には北朝鮮が民主化されない限り根本的な解決はない」と口を揃える。
今も北朝鮮で妻子がとらわれている呉氏は、証言の最後で妻子に向けて語りかけた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「ヘウォンよ、キュウォンよ。そして妻、申淑子よ。あなた達を救おうと救援の運動が拡がっている。生き延びてくれ。そして、いつか抱き合いながら人間の尊厳を勝利をお互いで確認するまでなんとしてでも生きのびてくれ」