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北朝鮮で公民証の交換作業が行われていることがわかった。デイリーNKの内部消息筋は3日、北朝鮮当局は、今年初頭から新しい公民証の発給を理由に現在の公民証を回収し、両江道(リャンガンド)などの一部地域ではすでに回収が完了したと伝えた。

新しい公民証には『職業欄』が追加されるという。この間、北朝鮮は工場企業所などの職場を通じて住民の動向を監視・管理してきたが、『職業欄』が追加された新しい公民証は、統制システムを整備する意味合いがあると解釈される。

また、2012年強盛大国建設と本格的な金正恩時代を前に、脱北者などの行方不明者の整理及び、職場・住所離脱者問題を整備するという思惑があるようだ。

平壌の消息筋は、「今年のはじめから人民班長が、公民証を回収して保安所へ持っていった。旧公民証とちがって新公民証には、職業、家族・婚姻関係が明確に記載されているとのうわさだ」と話した。

両江道(リャンガンド)の消息筋も、「すでに旧公民証は提出した。少し前に保安所で住民登録課の指導員から聞いたのだが、新公民証は家族関係、結婚関係、職業欄がみな記載されている、70年代の公民証と全く同じだ」と伝えた。

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内部消息筋は、今回の公民証に『職業欄』が追加されたことに注目する。平壌消息筋は、「今の公民証には職業欄がないので住民が何の仕事をしているのか不明で管理できない。だから新しい公民証を発給すると言われている」と伝える。

平壌と中国・丹東を往来して商売をする華僑のAさんも「現在の公民証は、職業欄がなくて住民たちを管理するのが難しいから、以前の公民証に戻すと言われている」と同様の話をした。

1999年当時、北朝鮮は、職業欄、家族・婚姻関係などが皆記載された手帳型公民証を証明写真、名前、生年月日、住所、婚姻関係、公民証番号が記載された一枚になった公民証に替えた。

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このため、脱北者や中国への旅行者家族は当惑を隠せないという。両江道の消息筋は、「脱北者家族や中国で違法商売をしている人々は、何らかの不利益があるのではと心配している」と伝えた。

咸鏡北道の消息筋は、「行方不明者がいる世帯は大変だ。中国に出ている家族がいる家庭では、人民保安所に行って事情を説明して賄賂をわたしている」と話した。脱北者の場合、事前に『失踪』届け出しなかった場合、家族が継続的に監視される。

正式な旅券で中国に行く旅行者の家族も大変だという。親戚訪問の場合、中国へのビザは通常2ヶ月だ。しかし、大部分の旅行者は中国で4ヶ月から1年間、滞在してお金を儲ける。そして、帰国後に旅券を発行した国家安全保衛部保衛員に賄賂をわたし、帰国が遅れたことを見逃してもらうのが慣例だった。

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しかし、今回の公民証再発給事業によって、帰国が遅れた事が国家安全保衛部まで通知されれば、賄賂は通じないので家族達も心配しているとのことだ。

1990年代、手帳型の公民証の時には、中国へ渡ったが、その後北へ送還された場合、公民証の末尾に『不法越境者』との赤い印が押された。

北朝鮮の公民証は満17才に発給を受ける。1946年9月1日に初めて発給された公民証は53年、58年、64年、74年、84年、99年、2004年など数回にかけて変更されている。

2010年には、住民登録の電算化作業および新型(プラスチック)の公民証を準備しているとの話もあったが、財政難などで中断したと伝えられた。このため、今回の新公民証発給が電算化を目標にしているのではとの見方もある。