対北支援をする際、2つの目標を同時に考慮しなければならないだろう。
1つは政治と社会部門で、北朝鮮の変化が1日も早く始まるようにすることだ。もう1つは’脱金正日時代’の北朝鮮の経済的、社会的再建のために、しっかりとした土台を築くことだ。
もちろん、脱金の過渡期に対して、幻想を持ってはいけない。経済の国「があまりに遅れて、住民の意識があまりに歪曲された北朝鮮社会を、少ない予算で早く再建する方法はないだろう。しかし、正しい対北支援を通じて、様々な難しい問題をある程度緩和することはできるだろう。
我々は60年以上孤立した生活をしてきた北朝鮮の人たちに、現代の世界を知らせなければならないし、この世界によりよく適応するために必要な能力と技術を教えなければならない。北朝鮮の住民に、こうした能力と知識を伝達する支援が最高だと考える。
筆者も、開城工団のように共同経済活動を中心にする事業は最も重要であるため、海州公団の提案を歓迎するしかないと考えている。開城工団を批判する人たちは、開城で働く北朝鮮の労働者たちが、韓国の企業と北朝鮮の当局者たちによって搾取されていると主張する。だが、他の北朝鮮の工場で働く場合、彼らの所得や勤労条件は現在の開城工団の条件よりも劣悪なのは明らかではないだろうか。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面もう1つの批判は、北朝鮮の当局者たちが、開城工団を通じて体制維持のために必要な資源を得ているという主張だ。この言葉は事実だが、対北支援には、妥協が不可避な側面がある。筆者は開城工団のような大規模な協力プロジェクトは、より有利な妥協だと思う。
毎日韓国の人を見られる北朝鮮の労働者たちは、北朝鮮の宣伝の虚高ノ気づき始めるだけでなく、彼らが近いうちに参入するであろう現代世界に対する知識を身に付けることができるだろう。もちろん、国家保衛部をはじめとする北朝鮮の特務機関は、こうした接近と交流の機会を阻もうと総力を傾けるだろう。だが、彼らが北朝鮮の労働者たちを、ロボットのように何も見ず、何も聞かず、何も分析することができない機械に作ることはできないだろう。
もちろん、開城工団だけでなく、南北朝鮮の人々が共に働いて、互いに学ぶプロジェクトはよい。また、平壌当局に食糧をただ与えるよりも、農業の効率性を高める活動をしたらもっとよい。韓国から種子や肥料が送られるのと同時に、現代の農業技術に詳しい専門家たちが北朝鮮の農民に新しい営農方法を教えたら、このようなプロジェクトは長期的に統一後の復旧事業の基盤を作り、統一費用をある程度減少する潜在的な力があると思われる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮政権を通じて住民に提供される食糧支援は、配給制を中心にする経済を強化させるが、技術や種子を提供することは、北朝鮮の住民たちに直接送る支援であるため、住民の困難な生活を緩和し、未来を準備するだろう。
北朝鮮の住民の教育問題を解決せねば
北朝鮮の教育水準を高めることも、韓国の重要な課題だ。’脱金時代’に南北朝鮮の知識の不平等は、大きな社会的問題をもたらす可能性がある。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面現代世界の有益な教育を受けることができなかった北朝鮮の人々が、統一後も代を引き継いで’安い労働力’の役割を果たすようになれば、完全な’統一’と見なすことは困難だ。したがって、韓国政府は北朝鮮の大学を支援し、北朝鮮に教科書をはじめとする書籍、コンピューター、多様なデジタル資料などを提供した方がよい。もちろん、北朝鮮の執権層がこうした交流から軍事用の技術を得る可能性があるが、こうした危険を管理するのはそれほど難しくはないだろう。
重要なのは、北朝鮮の学生のための留学支援だ。もちろん、金正日政権が北朝鮮の青年たちを韓国に留学させることは想像もできないだろう。だが、平壌の指導部は思想的にそれほど危険ではないオーストラリアやヨーロッパの国家、ロシアなどに送ることは問題と考えない可能性もある。韓国はこうした交流を財政的に支持した方がよいだろう。ニュージーランドやポーランドに留学する北朝鮮の学生たちは、後に南北朝鮮の経済に寄与する専門家たちであるため、これは韓国の未来に対する一つの投資になる。
もう1つは、北朝鮮のインフラの開発だ。韓国は世界的にインフラを開発した経験が多い国として有名だったため、こうした経験を北朝鮮に適応させれば大きく役立つだろう。北朝鮮の橋、道路、鉄道の建設、発展施設の改善、補修及び新設などは、未来に対する投資だと考えられる。
もちろん、こうしたインフラプロジェクトでも考慮する点は、北朝鮮政権の軍事力を強化してはいけないということで、住民たちを助け、脱金時代の北朝鮮の開発のための条件を用意することが重要だ。この部門でも妥協は不可避だが、金正日独裁政権の要求をそのまま受け入れるのは過ちだ。
望んでも望まなくても、北朝鮮問題は奇跡のように解決されはしないだろう。この問題を解決する義務と必要がある勢力は、すなわち韓国であるため、対北支援はこうした解決のための重要な事業だ。
残念だが、韓国社会の北朝鮮に対する認識はまだ非常に近視眼的だ。韓国社会の主流は、対北支援を安く行い、平壌の独裁政権が南北の格差を乗り越えるための政策を始めるようにする戦略を支持している。
問題は、この戦略では問題を解決することができないということだ。こうした政策は問題の解決を引き延ばすだけでなく、この問題自体を一層難しくする可能性がある。