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久しぶりに晴れたので全ての窓を開けた。しばらく続いた鬱陶しい雨も止んで、さわやかなな週末の午後だ。ニュースでは、梅雨前線が北上し本格的に蒸し暑くなるとの便りと、北朝鮮地域で豪雨による大きな被害が予想されるとの報道が続いた。

韓国気象庁は19日までに、北朝鮮全域に最大150mmの豪雨を予想した。こんな報道を聞くたびに、 北朝鮮に住む知人が心配になる。豪雨の被害でケガはしていないだろうか。当局から下りる各種の動員令だけでも大変なのに、食料調達に食事のために急斜面に苦労しているみんな。とうもろこし畑は無事だろうか−

北朝鮮では、毎年水害が起きる。水害で多くの人命や財産が失われるが、対策すら出来ない北朝鮮の事を思い文字を打ち始めた。この手紙は、直接伝えられないが、少しは気が楽になると思いながら書こうを思う。

会いたくても会えないXへ

皆、どう過ごしていますか?川を渡って祖国を離れて早くも2年が流れました。少しの間だけ北朝鮮を離れて商売資金でも稼いで帰るつもりだったけど、もう随分時が過ぎてしまいました。

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顔も見たいし、話したい事も多いけど、何から話せばいいのやら− 雨は止んでも、胸中は、梅雨が始まったかのような気持ちです。

韓国では、豪雨の被害があればすぐTVで報道されますが、20日以上降り続いた雨による被害のニュースが連日のように報道されています。道路や下水道が整備されている韓国でも集中豪雨の被害があるのに、そちら(北朝鮮)では、どれほどの被害があるのか気がかりです。

梅雨になると、まともに寝られずに苦労した思い出。どれほど多い雨が降るのかも分からずに、なすすべもなく被害を受けたことを思い出すと今でもため息が出ます。道路舗装さえもまともにされていない私たちの村の被害については言うまでもないですね。

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洪水被害に特別な対策もせず、人民班長が、ただ『1号の管理はしっかりとしろ』と言うので、1号写真−金日成、金正日、金正淑の肖像画−を抱きかかえて、不安な夜を過ごしていました。

朝鮮中央TVで梅雨に備えるべきと報道されたので、人民班会議も開かれたのでしょう。おそらく、人民班長は、家の周りに溝を掘って、石を積んで浸水に備えろと言っているのでしょう。そして、川の堤防を整備するために、何時何時どこで集まろうと言っているでしょう。毎年、同じことの繰り返しですね。

古い家は、屋根の上に木瓦を敷いて石をのせる。余裕がある家では、その上に油紙をかぶせる。あなたの家も、ビニールをかぶせていましたよね。滑って落ちないように作業にはくれぐれも気をつけてください。

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夜に雨が降ると落ち着きません。時々伝わってくるそちらの便りでは、電力事情がさらに悪くなっているようで心配です。

2008年娘子2人が海に落ちて亡くなりましたが、電気が不足して天気藍??キけなかったからでしょう。強い風が吹くことがわかっていれば、船になんか乗らなかったはずです。遺体でも見つかれば、まだよかったのですが。結局は見つからず。今でも胸が痛みます。

電気もなく真っ暗な闇の中で雨まで降り、目の前は何も見えず、オロオロする姿が今でも繰り返されていることを考えると気が気でありません。

山で砂金を採るために、その場で家を建てて住んでいる人たちも気がかりです。雨が降れば、必ず事故が起きるのに− 2008年もそうだった。山の急斜面に、住んでいたオクシムさんと3人の家族が、豪雨で流れ始めた土砂を避けられずに命を失いました。今年の雨で、誰か大きな被害を受けていないでしょうか?

ねぇX、思い出した。ヒャンシムお婆さんが、どうやって亡くなったのか。突然の豪雨で、家が浸水し、お婆さんを助けられなかった。

電気が流れていたら、事前の緊急非難避放送でもあれば、命を失うことはなかった。相変わらず深刻な電力難を聞く度に、ヒャンシムお婆さんの青い顔を思い出します。

私が北朝鮮に居た時は、まともな天気藍?ネんかなかったけど、今はどうなの?ひょっとして、今でも「体が疼くから」「カエルが家に入ってきたから」とかの迷信で、豪雨を予想しているのではないでしょうね?聞くところでは、朝鮮中央TVで天気藍?ェあるとのことですが。

地域別、時間別、定期的な天気藍?ウれあれば、ある程度の被害を未然に防ぐことはできるのに。一日も早く、北朝鮮で経済的な改革が起きて、韓国のようにTVを通じたちゃんとした天気藍?ナ、少しでも被害が少なくなってほしい。

ねぇX、聞きたい話はたくさんあるけどまた今度。とにかく、豪雨で被害がないことを心より願っています。