人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

統一部によると、韓国で公務員の職に就いている脱北者は総勢17人いる。中央部署の中は、統一部に1人、その他ソウル市に2人、仁川市(インチョンシ)に1人、京畿道(キョンギド)には13人が勤めている。決して多い数ではないが、脱北者が韓国社会を運営している一つの軸を担当しているという面では、大切な意味を持つ数だ。

脱北者の公務員中の約80%は京畿道庁と市に勤めている。 京畿道は2008年10月、脱北者のキム・ヒョンア氏を初めて採用。それに続き脱北者の公職採用を広める政策を積極的に推進している。

公務員として働く脱北者のほとんどが、韓国に入国した脱北者の韓国社会への適応を補助する業務に就いている。彼らの業務成果に対する評価は概ね肯定的だ。脱北者の見方と立場で、定着を支援することが出来るからだ。

金 文洙(キム・ムンス)京畿道知事は先月25日、『脱北者成功ビジョン・キャンプ』で13名の脱北者公務員を紹介しながら「脱北者を支援するためにベストを尽くす。脱北者でも大統領になれる」と励ました。

今回、『デイリーNK』では、脱北者の公務員3人との『座談会』を通じて、脱北者が公職に進出する意味を探ってみた。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

去る11日、平沢市(ピョンテクシ)庁で行われた座談会では、3名の脱北公務員が定着過程で体験した『慌ただしい適応期』から公僕意識を育んだ公務員生活まで、自らの経験談を率直に話してくれた。

-韓国入国後に、夢見た人生はどんなものでしたか?

イさん:韓国は資本主義社会だと既に知っていたので、リッチな男性に出会って自分の人生が一気に良くなるのではと思ったりもしました。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

パク:私は、金持ちになりたいとは思わなかった。とりあえず、5〜6万ウォンをもらって食べ物を買えるだけでも幸せでした。そのお金で一ヶ月は暮らしましたよ。その上、京畿技術教育学校では、定時に行けば食事付きで教育も受けられた。どんなに、いい社会なのかと痛感しました。『金正日が何かしたのだろうか』とも思いましたよ。私の娘は、美容院で最年少ですが、班長です。こんなことは北朝鮮ではあり得ないです。

-韓国では『公務員』は交通も優遇されます。安定した職業という点で、韓国の人々から見ても羨望の対象ですが、実際に公務員としての生活の感想は、いかがですか?

パク:『公務員』のような公職については韓国でも北朝鮮でも同じです。誰でも就きたがる職業ではないでしょうか?北朝鮮では特権層ですね。特権を利用して住民からの嘆願を解決する。でも、韓国には、そのような特権はない。あくまでも、手続きに従わなければならないからです。南北どちらも公職に就きたいという共通点はあるでしょうが、そのような『差』はあるようですね。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

イ:韓国での民間会社では、日曜日も隔週で出勤しました。でも、公務員になってからは、一日に7時間勤務して、月給は安定している。また、『公務員』といえば社会的にも認められ、定年後も保障される。うらやましがられるのも当然ですよね。

チョ:ある脱北者が、中国の子供を連れてくるための手続のために、平沢市庁を訪ねてきました。その方は、中国で長く生活したから韓国語が上手ではなかった。漢字を使って筆談をするなど大変でした。ところが、別の同僚が筆談で、その脱北者のお願いを解決したのです。『これこそが、公務員なんど』と改めて思いました。

-脱北者として公務員に応募されましたが、特別なきっかけとかあったのですか?

パク:脱北者は、韓国の公共機関で相談を受けることより、先に脱北した先輩たちのアドバイスを聞き入れます。私は、定着後に職業学校で教師生活を数年経て、ハナ院でも時々教育をしました。その中で、韓国に入国したばかりの脱北者が、分からないことをたくさん質問するのです。私は、先輩の立場として知っている限りのアドバイスをしました。その中で、「そうだ!この人たちのサポートが必要だ」と考えはじめたのです。そこで、京畿道の特別採用公告が出た時に、迷わず応募しました。

チョ:私は、特別な理由はありませんでした。子供をしっかりと育てたかったからです。平沢市の公務員面接時、課長さんが「契約職だと、月給も少なく、人に対する職業だとストレスが多いでしょう。それでも志願した理由は何でしょう?」と尋ねました。私は人工授精で双子を授かったのですが、子供達が『うちの母は、韓国人でもなりにく公務員です』と堂々と言ってほしいからです」と答えました。脱北者だからこそ、何らかの『名誉』みたいなものが欲しかったのです。

イ:私は公務員という考えはなかったです。でも、韓国で骨を埋めると考えながら、少しずつ準備して、社会福祉士関連の資格をたくさん取りました。また、当時仕事をしていた自動車学校の講師も安定しているのかなと思っていました。それが、偶然にも公務員採用に申請をして今の職に就いたわけです。

-公務員として最もやりがいがあることはなんでしょう?

イ:脱北者は、元々心を開きません。疑うことからはじめます。北朝鮮では、隣どうしで互いに監視しながら告発するからです。だから、「韓国の人々は、どうしてこんなによくしてくれるのだろう?」と疑うのです。そのような相談は大変ですよ。ある脱北者が、韓国人に相談をしたのですが、話が通じない。そこで私が引き受けたのです。私が、その方に「私も脱北者なんです」と言うと、目に涙を浮かべながら、それまでの積もり積もった話を全て打ち明けたのです。その時は、私も救われた気持ちでした。

パク:私は、職業教育に関してマッチングすることですね。彼らの指向を把握しながら、マッチした職業を紹介できれば、「感謝します」と、訪ねてこられます。また、保護者に奨学金情報などを教えてあげて、奨学金が受けられるようにしたこともあります。私の支援で、脱北者に恩恵が与えられれば、これほど嬉しいことはありません。

-最後に、今まさに定着している、または定着しようとしている脱北者に一言お願いします。

パク:韓国では、人が社会を作り、その人を教育が作ります。この社会では、それだけ教育が重要です。自ら悟って習うこと、そして子供たちに教育させることに努力してほしいです。

イ:慌てないでほしい。脱北者全員が、5年ぐらい自分が進むべき道を探しています。北朝鮮にいる家族を助けるのも大切ですが、まずは本人の定着が重要でしょう。北の家族を思うと、ご飯も喉に通らないでしょう。北に送金ばかりして、一文無しになってしまうと、統一してから家族に会っても、何もしてあげられない。まずは、自分自身が定着することに集中してほしいですね。

チョ:韓国に定着されている脱北者に、一言だけ垂オ上げます。韓国には、脱北者のように賃貸住宅にも住めない人が多いのです。ソウル駅に行ってみればわかりますが、とてもホームレスが多いのです。にもかかわらず、私たちを受け入れてくれた大韓民国に恩を返さないといけません。療養院の清掃などの奉仕活動や、他の脱北者を支援する仕事などを通じて、社会に寄与できる機会を自ら作ってほしいですね。