「遺体を豚のエサ袋に…」北朝鮮女性を殺害した、ある男の告白

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北朝鮮が未曾有の食糧危機に襲われた1990年代後半。多くの人が家や家族を失い、生きるために国境を川を渡り中国へと向かった。

数多くの女性が人身売買組織の魔の手にかかり、中国人男性に売られるなどした。その犠牲者は数万人とも言われているが、正確な統計は存在しない。暴力、強制労働、強制送還や女性の韓国行きによる家族離散、望まぬ性産業への従事など、さらなる人権侵害を招いている。

国際社会の厳しい批判にも、人身売買が横行する状況は未だに改善していない。デイリーNKの内部情報筋が伝えた事件は非常にショッキングなものだ。

(参考記事:「カネに目がくらんで14歳の子供を売るのか」北朝鮮人身売買の証言

中国・黒龍江省のある村に住む中国人の30代男性。かつては、2017年に脱北した北朝鮮・平安北道(ピョンアンブクト)出身の20代女性と暮らしていた。

3年前のある日、彼女は突如として姿をくらました。心配した村人が男性を問い質しても、返ってくるのは「逃げた」という答えだけだった。ところが男性は、酒の席で酔っ払ったのか、自分の犯した恐ろしい罪について口を滑らせてしまった。

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「仲介人に紹介されて、北朝鮮出身の女性を2万8000元(約44万5000円)で買った。酒を飲んでは暴力を振るっていた。『朝鮮にいる家族に仕送りしたい』と言われ、『俺がお前を買うのにいくら払ったと思っているのか!』とビール瓶で頭を殴りつけた。翌朝目を覚ましたら、女性は出血多量で死んでいた。遺体は豚のエサの袋に詰めて、車に積んで運び、山中に捨てた」

この話は、中朝国境地域の中国側にあっという間に広がった。同じように中国に住む脱北女性は、悲報を耳にして嘆き悲しんでいる。

「あんな悲惨で痛ましい事件をどこに訴えれば良いのか」
「私たちは自分の人権を守ろうにも何もできない」

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やがて噂は川向うの北朝鮮でも広がり始めた。咸鏡北道では「国が貧しいから中国のやつらは朝鮮人を人間扱いしない」との嘆きの声が上がっている。男性は自首しておらず、殺された女性は中国で住民登録をしていなかったからだ。また、脱北者を「祖国を裏切った反動分子」扱いしている北朝鮮政府も、問題提起を行わないものと思われる。

(参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

中国側では、「私たちも北朝鮮女性たちの人権問題を真剣に考えなければならない」との声が上がっている。男性には「人殺し」のレッテルが一生付いて回り、地域社会で様々な制裁を受けるだろうが、公式な法の裁きは受けずに終わる可能性が高い。

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情報筋は「人権の死角に置かれた中国国内の脱北者の問題を真剣に考える必要性が高まりつつある。責任ある関係者は、徹底的な調査を行い、処罰すべきという国際社会の声に耳を傾ける必要がある」と述べている。

遼寧省の公安当局が昨年12月、脱北女性を対象に聞き取り調査を行った上で、登録をさせ、問題を起こさなない限りは北朝鮮に強制送還しないと申し伝えるなど、送還一辺倒だった中国当局の姿勢に、わずかながら変化が生じつつある。

(参考記事:脱北女性の深刻な精神疾患、中国の調査で明らかに