2018年に姿を消した北朝鮮のチョ・ソンギル駐イタリア大使代理(当時)が昨年7月、妻と共に第三国を経由して韓国に入国していたことが6日までにわかった。金正恩党委員長が最高指導者となって以降、北朝鮮の大使級の高官が韓国に亡命したのはチョ氏が初めてとされる。
韓国の聯合ニュースが与野党および複数の情報関係者の話として伝えたところでは、チョ氏は現在、韓国当局の保護下にあり、これまで韓国入りが伏せられていたのは本人の求めに応じたものだという。
チョ氏は2017年9月、イタリア政府が北朝鮮の核実験を受けて前任者のムン・ジョンナム大使を追放した後、大使代理に就任。任期満了を控えた2018年11月に姿を消した。当時はイタリア情報当局の保護を受けながら、韓国ではなく第三国に亡命する道を探っていると伝えられた。
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先に韓国へ亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使は当時、イタリアが北朝鮮指導層のぜいたく品を密輸するルートの中のひとつだったと指摘し、「2006年から2009年までイタリアで3年間研修を経たチョ・ソンギル氏は、密輸ルートに関わっていた可能性が大きい」と話していた。