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北朝鮮の小中高校は通常、日本と同じ4月に1学期を迎え、7月中旬から1ヶ月ほどの夏休みを経て、9月1日から2学期が始まり、間に4週間から6週間の冬休みを挟んで、3月31日までとなる。

今年の場合、新型コロナウイルス対策として冬休みが伸ばされたが、休校期間が繰り返し延長されて、6月からようやく学校再開にこぎつけた。ところが教育当局は、感染拡大を未然に防ぐとして、7月1日から例年より長めの夏休みを始めてしまった。

(参考記事:6度の延期後にようやく再開の北朝鮮の学校、1ヶ月足らずでまた休校

そして、9月1日から学校を再開する方針を示したが、直前になって延期を決めた。

デイリーNKの内部情報筋によると、内閣教育省は先月10日に既に再開した中央大学(教育省が直轄する大学)を除く、全国の小中高校、地方大学を今月1日から再開する方針を先月21日に示した。

当初から「9月の学校再開は難しいのではないか」との声が上がっていたが、教育省は、コロナで5ヶ月も教育日程が遅れ、これ以上遅らせられないとして、今月1日からの再開に踏み切ろうとした。

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ところが、その直前に事態が急変した。先月31日午後3時ごろ、全国の道教育部に対して、新学期の開始を10日ほど延期するとの緊急指示を下したのだ。学生たちには同じ日の午後5時から8時の間に通知された。

先月31日に全国の幼稚園、小中学校、地方大学で予備登校が行われたが、発熱を理由に登校しなかった学生が複数いたことが、その日の午後の新学期延期の決定につながった模様だ。

また、大規模クラスターの発生も学校再開延期に影響を与えた可能性が考えられる。先月28日の青年節を祝うダンスパーティに参加した咸興(ハムン)市内の大学生が次々に発熱症状を訴え、重症者40人、軽症者120人を出す事態となったのだ。

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(参考記事:北朝鮮「公認ダンスパーティ」で巨大クラスターか、重軽症160人

教育省は各学校に対し、教員の健康チェック、教室の消毒など、道の教育委員会がマニュアルを下していたが、要求するレベルに達していない学校があったことも、延期の理由のひとつだ。

今年6月にも、同様の理由で新学期の開始が6度目の延期を余儀なくされた。このときも、消毒用品の調達を学校に丸投げし、資金不足で調達できなかったことで、当局に求める防疫基準に達しなかったが、今回も似たような状況になっている可能性がある。

(参考記事:北朝鮮の学校が6度目の新学期延期「防疫基準に達せず」

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全体の中での割合は不明だが、いずれの道でも10校ほどが不合格となり、首都平壌でも不合格となる学校が出ている。不合格通知を受けた学校は学生を動員し、3〜5日に渡って掃除、消毒を行い、今月6日以降に道教育部の検査を受け、合格通知を受けてようやく新学期の開始が認められる。

合格通知を受けた学校も教師に対し、児童・生徒の自宅を訪問し、健康チェックを行うことを求めている。また、児童、生徒は外出が禁じられ、自宅にこもって自習するよう指示されている。

建国記念日の当日、または翌日の10日の午前にに毎年恒例の誓いの儀式を行った上で、新学期が始まるものと見られる。