金正日は、訪朝したジミー・カーター前米大統領一行を通じて南北首脳会談を提案したが、この提案が今後の南北関係にどう影響を与えるのかに関心が寄せられる。
この間、米中韓が6ヶ国協議再開に向けて積極的に動いていることから外交筋では「肯定的な影響を及ぼす」という見方がある。米韓は第三者を通じた提案に大きな意味をないとしているが、その一方で悪い影響を及ぼさないという反応も見せている。
韓国政府高位当局者は29日、「既に対話再開にむけた接触が始まっている状況で、カーター氏を通じた会談の提案は注目するほどの影響はない。しかし、最近の対話再開の動きを否定するものではない」と話した。
さらに「北朝鮮との対話再開にむけて努力をしていることから、今後は北朝鮮の具体的な反応や変化があるべきだ」と強調した。
カーター氏の訪朝によって対話再開に向けた北朝鮮の意志が再確認されたことには肯定的だが、あくまでも北朝鮮の態度の変化が確認されるべきと指摘する。同時に、韓国政府は非核化南北会談の提案に対する北朝鮮の反応を待っていると伝えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面別の当局者は「現在、ボールは北朝鮮が持っている。北朝鮮が、米中韓が提唱する3段階方案の第1段階である『非核化南北会談』における韓国の提案に対して具体的な反応を見せれば対話再開は加速化するだろう」と見通す。
北朝鮮は核問題に関しては米国とのみ対話すると主張してきたが、今回は韓国政府とも核問題について話し合う準備があると明らかにした。これは、南北非核化会談の実現の可能性を高めると専門家は展望する。
カーター氏は、28日の会見で「北朝鮮は今まで米国とのみ核問題について議論したが、今後は韓国とも話し合うことが可能だ」と伝えている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ユ・ホヨル高麗(コリョ)大北朝鮮学科教授はデイリーNKとの電話インタビューで「金正日がカーター氏という3者を通じて、最もリーズナブルな手段で対話の意志を見せたようだ。北朝鮮の対話意志は確認されたことから今後は南北接触を通じて新しい段階に入る可能性もある」と展望した。
同教授は、「非核化会談だけでなく南北首脳会談のため動きは、玄仁澤(ヒョン・インテク)統一部長官の交替など韓国政府の『改閣』をスタートに活発になるだろう」という。
匿名を希望した国策研究所研究委員は「対話を望む北朝鮮が天安艦と延坪島に対する対応を望む韓国に、一定の妥協策を提示したと見られる。二つの事件によって対話を進められない状況を乗り越える意図があると見られる」と分析した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面一方で、北朝鮮の具体的な行動変化なしに、対話再開は難しいという指摘もある。米日韓は、6ヶ国協議再開のためには、非核化事前措置(pre-steps)を北朝鮮が確約するべきという姿勢だが、北朝鮮はこれに関連した動きを見せていない。
北朝鮮が姿勢を変化すべきという韓国の姿勢は、米中をはじめ6ヶ国協議の当事国が支持している。韓国政府が、北朝鮮の反応を待っているのもこの流れからだと言える。
キム・ソンファン外交通商部長官は29日に開かれたある討論会で「北朝鮮は非核化に対する誠意を具体的に見せることによって会談にむけた信頼を回復すべきだ。北朝鮮が南北対話に応じれば、韓国政府は北朝鮮の核放棄の意志を確認していくだろう」と明らかにした。
また「北朝鮮は、天安艦と延坪島砲撃挑発に対して、韓国国民が納得できる姿勢を見せなければならない」と強調。
カーター氏の訪朝を通じた北朝鮮の対話提案は、一部ではこのような局面に水を差す行為だとの意見もある。外交消息筋は「南北間は、南北首脳会談などについて一定の接触を図っている。このような雰囲気で北朝鮮の首脳会談提案は大きな意味はない」と指摘した。
だが、消息筋は「カーター氏の訪朝とは別に原則派である統一部長官(玄仁澤長官)が交替すれば、南北対話の流れは、より加速される。その結果が肯定的ならば南北首脳会談が開かれる可能性を排除することはできない」と観測した。