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◆北朝鮮住民は飢えているのか?

北朝鮮は1997年以降から一般住民へ食糧配給を中断した。配給の崩壊後、人々は自家栽培や市場での交換を通じて食料を手に入れた。食糧価格は住民の食糧事情に最も影響力を与える変数になった。

内部消息筋によると、現在の市場では例年水準の食糧が流通している。食糧価格も下方安定傾向にある。現在、平壌の市場では1キロ当たりコメ価格が1500ウォン台まで下がった。コメ価格は先月には2000ウォンを乗えたが、その後は持続的に下落傾向を見せている。トウモロコシの需要量も増えたが、価格は700ウォン台を維持している。

北朝鮮の食糧価格の下落は為替レートの安定の影響とみられる。北朝鮮の為替レートは人民元を基準に今年1月は1元が520ウォンだったが、現在は400ウォン水準にとどまっている。農村経済研究所のクォン・テジン副院長は「為替相場が安定すると食糧価格が下落し安定的になる」と述べた。

これにより、住民の食糧需給に有利な環境が造成されたが、肝心の食料の取引は思ったよりも活発されていないことが分かった。原因は住民の購買力が低下したためだ。

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平壌の消息筋は18日「市場で商品が売れ残っている」と述べた。丹東の貿易商社も「米などの全ての価格が下落しても買う人がいない。売る人しかいない」と伝えた。

市場が不況である理由は、2009年11月に断行した貨幣改革の後遺症が依然として残っているからだと思われる。北朝鮮経済の専門家のチョン・ゲンミン博士はデイリーNKとの通話で、「貨幣改革は住民の資産をほとんど没収したも同然。購買力が大幅に落ち市場に食料はあるが買う事が出来なくなった」と説明した。

貨幣改革で旧紙幣100ウォンを新紙幣1円と交換し、上限額を10万ウォンに設定した為、現金を多く保有していた商人が直接的な打撃を受けた。大多数の住民が商売で生計を維持していたという点も、貨幣改革は住民の『資本蓄積』を一瞬で崩す結果をもたらした。

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しかし、昨年のこの時期に食糧難が深刻しなかった背景には、貨幣改革以前の11月に十分な食料を確保する北朝鮮の特徴が影響したと思われる。

しかし、貨幣改革による購買力の低下は社会的弱者の生活を脅かしている。

平安南道平城市の場合、1日3食を食べる人が85%、2食を食べる人は15%程度。2食を食べる人々は米とトウモロコシご飯、麺とお粥を交互に食べる。平城市は比較的裕福な都市に属しているが、農村はこれよりも状況が劣悪だ。1日に2食を食べる事が出来ない人々を北朝鮮では極貧層に分類される。

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極貧層は市場で食料を購入するのも困難で国の配給も期待しにくく、日雇労働や山菜採り、盗難などで延命する状態である。

1990年代の大飢饉を耐えぬいた人々なので飢え死にする状況までは行かないというのが、内部の説明だ。新義州の消息筋は「供給が無かった歳月が住民に生きる術を教えたので、飢え死にする人はほとんどいない」と述べた。

一部では、今年の北朝鮮の栄養失調による死者が3千〜1万人と見込んでいる。これは全人口2400万人(国連人口活動機関2008年発普jの0.013〜0.042%に相当する。最貧国の栄養失調による平均死亡率と同等か少し上回っている。(韓国の栄養失調による死者は、2008年で145人と報告された)

1990年代の大飢饉では死者が最大で200〜300万に達した。当時の人口2700万の10%程度に相当する。

クォン副院長は「北朝鮮は昨年に中国から30万トンの食料を輸入し、これに外部支援を合わせると475〜485万トンを確保したと推定している」とし、大量餓死の可能性はないと述べた。

しかし、常に飢餓状態に晒されている社会的弱者が存在するという点で、彼らへの選択的な支援は必要だという主張も説得力を得ている。