米国務省は11日、世界の約200カ国・地域を対象にした2019年版の人権報告書を発表し、北朝鮮においては依然として深刻な人権蹂躙が続いていると指摘した。
報告書は北朝鮮における人権侵害として、国家による違法な殺人や強制失踪、拷問、恣意的拘禁、政治犯収容所の劣悪な状態、私生活への干渉、検閲、海外での強制労働など20余りの類型を列挙。
国家による任意で違法な殺人については、ヒョン・ジュソン朝鮮人民軍(北朝鮮軍)中将の公開銃殺などを具体例として挙げた。
ヒョン・ジュソン中将の銃殺はシンガポールで史上初の米朝首脳会談が開かれた直後の2018年6月中旬、デイリーNKの報道で明らかになった。デイリーNKの内部情報筋によれば、彼罪状は職権乱用と利敵行為、反党行為というものだった。同年5月初めの裁判で死刑判決を受け、江健(カンゴン)軍官学校の射撃場で、人民武力省庁舎警務部(憲兵隊)の第2大隊第1中隊の兵士9人から拳銃弾計90発を打ち込まれ、処刑された。
彼は同年4月10日、戦時物資の総合検閲の際に、西海衛星発射場(ロケット発射試験場)への燃料供給の実態を視察したとき、「もはや苦労してロケットや核兵器を作らなくても済む」と発言した。この発言が、職権乱用と党の先軍路線に反対する利敵行為とみなされたという。
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