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北朝鮮で昨年末に開かれた朝鮮労働党第7期第5回総会では、日本の防衛相に当たる人民武力相が努光鉄(ノ・グァンチョル)氏から金正官(キム・ジョングァン)氏に交代したことが確認された。デイリーNKの複数の北朝鮮内部消息筋によると、努光鉄氏は今年初め、韓国と対峙する東部前線を受け持つ第1軍団の軍団長に就任していたことがわかった。

軍団長は人民武力相よりも下位に位置するが、消息筋のひとりは「両者は“0.5階級”ぐらいしか差がなく、降格人事とはみなされない」と説明する。また、第1軍団では昨年12月以降、職権乱用や物資の横流しなどの不正が多数、発覚しているとされ、努光鉄氏は綱紀粛正の使命を帯びて軍団長に任命されたという。

消息筋は「最前線の軍団を健全で鋼のような規律をもった隊伍にせよという、最高司令官(金正恩党委員長)からの厚い信頼による幹部人事だ」と伝えた。

1956年の生まれとして知られている努光鉄氏は野戦軍出身で、金正恩政権が発足後の2012年12月に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)総参謀部の副総参謀長に、2015年7月には人民武力部(現人民武力省)の第1副部長(次官)に任命された。

また、2016年5月に開催された第7回党大会で政治局委員候補に選出され、軍需経済を担当する第2経済委員会の委員長を務め、2018年に人民武力相となった。同年6月にシンガポールで米朝首脳会談が行われた際には金正恩氏に随行。9月に平壌で行われた南北首脳会談では、韓国との南北軍事合意書に署名した。