北・最高人民会議第12期4回会議が今月5日に代議員登録が始まった。例年開催されている北朝鮮の政治的なイベントだが、金正恩の公式化以降の初の会議であり、2012年の強盛大国の建設を1年後に控えた時点で開かれるという点から注目されている。
最高人民会議は国会に相当し、北朝鮮の最高主権機関である。
憲法改正の権限、内閣総理大臣や国防委員会委員長を選挙、または召還を行う事が出来る。国防委員長の提案により国防委員会第1副委員長、副委員長、委員を選挙または召還することができ、内閣も総理の提議によって副総理、委員長、相、内閣成員を任命する権限を有する。
昨年6月に開かれた第12期3回会議では、崔永林(チェ・ヨンリム)を首相に任命し、張成沢(チャン・ソンテク)を国防委員会副委員長に任命した。
また、人民経済発展計画と国家予算の決算に関する報告を審議・承認する。しかし、北朝鮮の国家経済が事実上破綻しており、現実的な経済成果を報告が出来ない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面昨年はパク・スギル内閣副首相兼財政相が報告をし、2009年の国家予算歳入は1010.7%の超過で、支出は99.8%だと報告した。また、2010年の予算は、2009年比で106.3%、支出計画は108.3%であると明らかにした。
今年も昨年の経済的な成果を誇示すると同時に、今後の経済成長の期待値だけを発表する可能性が高い。
?金正恩の国防委員会への進出?
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面今回の最高人民会議の最大の関心事は、後継者・金正恩の地位問題である。金正日体制の産物である国防委員会が、金正恩体制でも維持されるかが注目される。
専門家らは、後継体制を国防委員会レベルで構築するための人事改編が行われると予想している。昨年の党代表者会で党中央軍事委副委員長に登録された金正恩に国防委員会第1副委員長の地位を付与し、名実共に先軍の指導体系を確立するという指摘。
最高人民会議の2日後の今月9日は、金正日が国防委員長に推戴されて18周年となる日だ。国防委員会第1副委員長は、昨年11月6日に趙明?ェ死亡した後に空席となっており、金正恩が有力な後釜である。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、先月16日に解任されたチュ・サンャ盗l民保安部長が兼任していた国防委員の後任も注目される。
しかし、金正日の健康状態が好転している状況であり、権力継承の速度を調整するとの観測も提起されている。統一研究院・北朝鮮人権研究センターのチョン・ヒョンジュン主任研究員は、2009年以降から金正日が徐々に健康を回復し現地指導を行っていると指摘し、「金正恩への権力委譲速度がダウンするだろう」と話した。
今年は金正恩が経済分野での具体的な功績を示し、北朝鮮が強盛大国の大門を開く年と公言している2012年に高い地位に上るとの見通しを示した。
?国防委員会の威信の変化は?
世宗研究所のチョン・ソンジャン首席研究委員は、李英鎬(リ・ヨンホ)政治局常務委員兼党中央軍事委副院長の国防委員会への進出が、今会議のポイントになるだろうと述べた。
同研究委員は「金日成の死後に中央人民委員会が解体されたように、金正日死後には国防委員会が解体される可能性が高い。金正恩後継の最重要人物の李英鎬の国防委員会への進出が、国防委の今後を占う上でキーポイントになる」と予想した。
李英鎬は昨年10月26日に開かれた中国の上級軍事代表団と国防委員会代表団の会談で、軍参謀総長の肩書きで会談の首席代表を務めた。
中国は国家中央軍事委員会と党中央軍事委員会の人的構成を一体化させており、北朝鮮もこれに倣って、党中央軍事委員会と国家機関の国防委員会を一体化させる可能性があるとの指摘も出されている。
国防委員会以外にも内閣レベルでの再編が行われる可能性も高い。チョン首席研究委員は「金正恩の公式の登場以来、本格的に党が国家を制御する方式の人事措置が取られるだろう。規模は未知数だが注目すべき事案」と述べた。
今会議が2012年強盛大国の建設を翌年に控えている点から、新たな経済対策を打ち出す可能性が高いという分析も提起されている。
?経済対策の発浮ヘ?
チョン先任研究委員は「後継体制が急速に構築されておりこれを強固とする為には、人民経済が早く改善されなければならない」と述べた。
国策研究機関のある研究員は「来年も強盛大国建設の成果を出すに値する内容がない状況で、経済開発5ヵ年、10ヵ年のような措置を出す可能性がある」とし、北朝鮮が強盛大国建設の公約から目をそらす作戦を立てる可能性があると予想した。
チョン首席研究委員は「経済開放に対する前向きな措置が発表される可能性がある。中国の投資環境を改善する目的で、清津、羅津・先鋒、新義州などの特区法の再改正などを推進する可能性がある」と話した。
昨年は金正日が異例的に2度も中国を訪れ、胡錦濤・国家主席と首脳会談を開き、これに加え金正恩の訪中切迫説が提起されている状況で、中国の対北朝鮮投資環境の改善への措置が出される可能性が高まっているという。