北朝鮮が挑発する場合に、攻撃の起点と支持勢力への打撃を軍当局が明らかにした中で、このような対応作戦が実際に北朝鮮の挑発を抑制する効果があるかが注目される。
キム・グァンジン国防長官は、先月31日に開かれた韓国放送記者クラブ主催のTV討論会で「北朝鮮が挑発すれば、自衛権の次元で断固として対応する。挑発の原点だけでなく、それを支援する勢力まで含む」と明らかにした。
ハン・ミング合同参謀議長も「天安艦事件・延坪島挑発で、北朝鮮政権が手段と方法を選ばない冷酷な存在であることが確認された。北の挑発時には、原点とそれを支援する勢力まで徹底的に膺懲し、挑発意志そのものを奪い取る。敵の局地挑発には、米国の支援戦力を効率的に活用できるように発展させている」と強調した。
これと関連し、軍事専門家らは昨年の天安艦・延坪島砲撃以降、北朝鮮の挑発を事前に抑止する次元よりもさらに強力な対応戦略を策定する方向へと軍当局の戦略が変化したと分析している。
これにより、軍の戦力増強の優先順位も、北朝鮮の局地挑発と非対称脅威を優先的に考慮し対応する態勢を準備していると伝えられた。特に、韓国軍は韓国軍の戦力だけでなく米軍の支援戦力も活用し、北朝鮮の挑発に対する抑止力を極大化する方針だ。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面軍事専門家らは北朝鮮の挑発を防ぐ上で最も確実な方法は、挑発には強力な報復が伴うという警告メッセージを送ることだと指摘する。軍事的観点から、強力な報復が予想されれば挑発の可能性が低くなるからである。
韓国安全保障問題研究所のキム・フィサン理事長デイリーNKとの通話で、「軍が積極的な対応戦略を表明したのは、延坪島のような挑発をこれ以上容認しないという強い意志を見せた。政治的な事案とは異なり、軍事面で確実な対応打撃をするというメッセージは、北朝鮮の挑発をするのに最も効果的だ」と説明した。
「国民が北の挑発を容認しないという意志を持っているというのは、北朝鮮の挑発を抑止する効果がある」と強調した。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面国防研究院のキム・テウ懸案研究委員長も「天安艦・延坪島事件以来、軍の北朝鮮への報復措置が更に強化された。挑発には報復という決然とした意志を示すことで、北朝鮮の挑発に対する抑止力を向上させている」と語った。
また、専門家らは北朝鮮の挑発の目的は、内部の結束と後継体制の安定化という政治的な性格が強く、強力な報復作戦が効果があると判断している。攻撃の起点打撃作戦で対応する事で、戦火拡大の可能性を抑えている。
匿名の国策研究所研究委員は「伝統的に北朝鮮の挑発は、韓国への脅しや政治的な理由で行われてきた。米韓軍当局の積極的な対応打撃が予想される中で、政治的な目的だけで挑発するのは容易ではないだろう」と見通した。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面韓南大のキム・ヨンチョル国防戦略研究所長も「対南挑発を後継告}の安定化に使う北朝鮮の政治的目的を念頭に置いて、対北対応戦略を立てなければならない。北朝鮮が挑発を敢行すれば必勝の覚悟で対応することで、挑発だけでなく戦火拡大も防げる」との見通しを示した。
「挑発には原点まで殴打するという警告メッセージがない状況で応戦すれば、偶発的に戦火が拡大する可能性がある。交戦及び拡大にも覚悟があるという意志を北に示す必要がある」と付け加えた。
一部では、体制の安全を最優先に考慮する金正日政権の特性を考慮すると、攻撃の起点打撃による戦火拡大は無いとの観測も提起されている。体制に脅威を受ける可能性があり、米国との戦火を交える可能性は低いという指摘だ。
キム・ヨンス国防大教授は「今後は北朝鮮の挑発に在韓米軍の戦力まで活用されるため、北朝鮮が延坪島のような挑発を敢行するのは難しいだろう」と予想した。キム・テウ懸案研究委員長も「金正日と北朝鮮指導部は、全面戦争を最も恐れているのでその可能性は低い」と述べた。
キム理事長は「北朝鮮の挑発に対する積極的な対応措置が戦火拡大の恐れがあるとの懸念もあるが、戦争は金正日の終わりということを彼ら自身があまりにもよく知っている」と述べた。