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北朝鮮から脱北して韓国に向かおうとしていた脱北者がベトナムで捕らえられたとの情報は、デイリーNKジャパンでも既報のとおりだが、救出されて安全な場所にいると、米国のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が3日付で報じた。

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脱北者11人は昨年11月21日、ブローカーと共に中国からベトナムに入ったものの、逮捕されて5日後に追放された。29日に再度国境を越えようとして逮捕、勾留された。ベトナム当局は彼らを中国に強制送還しようとしたが、脱北者の激しい抗議で一時保留にしていた。

WSJは、米国の外交官が抗議していた脱北者のうち、女性2人が自殺を図り、未遂に終わったものの毛布に包まれて横たわっている動画を見て救出作戦に乗り出したと伝えた。

(参考記事:金正恩氏に追い詰められ死を選んだ、ある一家の悲劇

また外交官の中には、北朝鮮との非核化交渉に関わっている当局者も含まれていると報じている。米国政府とアジア地域の米国の外交官が、ベトナム政府に脱北者を中国に送還したり、北朝鮮に引き渡したりしないよう圧力をかけたとも伝えている。

当初報じられていた11人より2人多い13人は、現在安全な場所にいるとのことだが、居場所は明らかにされていない。

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これについて国際的な人権団体、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)アジア局長のジョン・クリフトン氏も、RFAの取材に「北朝鮮の住民が暴力的な政権の元から逃れられたことは常にいいニュース」だと、米国政府の行動を評価した。

米国の人権団体、北朝鮮人権委員会のグレッグ・スカラチュー事務総長もRFAの取材に、この件についてはメディアを通じて知ったもので、詳細な情報は持ち合わせていないとしつつ、脱北者の救出活動を行ってきた関係者を通じて事実であることを確認したとした上で、脱北者が安全なところにいるは嬉しい知らせだとして、作戦に米国の外交官が関与したことはさらに喜ばしいと述べた。

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脱北者がベトナム当局に逮捕された当時、韓国の脱北者支援団体、北韓正義連帯のチョン・ペドロ代表は米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に、脱北者が直接、ハノイ駐在の韓国大使館や韓国外交省に救助を要請したものの、何の措置も取られていないと明らかにした。

今回の件について、韓国外交省はWSJの取材に、韓国政府は脱北者の釈放に役割を果たしたと回答している。一方で、この件に精通している情報筋はWSJに「韓国政府は当初、積極的な脱北者援助を躊躇しているように見えた」と述べている。