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北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)にある朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の施設で今月10日、軍事物資が盗まれる事件が発生し、軍や保衛部(秘密警察)が大騒ぎになっている。

清津の住民によると、事件が起きたのは、市内の新岩(シナム)区域の校洞(キョドン)にある、軍需動員総局(374軍部隊)戦時物資保管地下倉庫だ。今月10日の夜、保管されていたガソリンやディーゼル油など、軍事物資が大量に盗まれた。

道保安局(県警本部)と保衛部は、今回の事件を「反国家的行為」として、捜査に乗り出した。一般人が接近困難な軍部隊内の倉庫で事件が起きたことから、内部の関係者による犯行や、内通者がいるものと見ている。また、手法が緻密なことから事前に緻密に準備した事件と見ている。

軍需動員総局の敷地には軍人以外にも、部隊が運営する農場関係者や食堂関係者、また軍人の家族も車などで出入りしていることがわかっている。374軍部隊所属の軍人や職員(軍部隊で働く一般住民)、または、彼らに関係した住民に捜査を絞っているが、まだ糸口は掴めていないようだ。

この住民は「自動車に(盗んだ)物資をのせていったとは何とも大胆だ。今、清津市内のすべての市場で商売されている物にまで監視は強化されている」と話した。ちなみに市内の市場ではガソリン1リットルが2900北朝鮮ウォンで売られている。

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捜査機関は同時に、人民班(町内会)の班長に面接して住民の動向を調べる「人民班了解事業」を行っている。捜査機関は「覚醒された群衆の大衆的運動によって犯人は摘発されるべきだ」と強調しているとのことだ。

この住民は、盗まれた品物の中に、怪しいものが含まれていると見ている。

「口ではガソリンや軍事物資がを見つけ出すと言っているが、とても怪しい。保衛員(警察官)は何かの機械の付属品や電気装置に的を絞っているが、かなり重要な物が盗難に遭ったのかもしれない」

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脱北者によると、374軍部隊は、国防委員会軍需動員総局傘下の北部地域戦時物資の保管と管理を専門に担当する部隊で、燃料、衣料品、医薬品、通信設備などを保管し、武器は保管してない。

清津郵便局と、倉庫の職員とその家族が住む居住区を通り過ぎて100メートルほどのところにあり、三面が山で囲まれている。建物の裏には軍事物資を保管する地下道があり、入り口には歩哨が立っている。そのことから、事件の犯人は、裏手の山から降りてきて、警備の兵士を攻撃し、トラックに軍需物資を積んで逃げたものと思われる。

清津出身の脱北者パク・インチョルさんは次のように語った。

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「374軍部隊は『苦難の行軍(1990年代後半の大飢饉)』も影響を受けなかった。374軍部隊は山のふもとにあり、すべては地下道で移動するために、近隣住民も何があるのか知らない。たまに自動車が出入りする」

「軍需物資保管倉庫まで盗難被害に遭うといことは、それだけ住民が大胆になっていると思われる。北朝鮮当局は国家施設に関する窃盗には厳罰で対処するので軍部隊の物品まで手をつけたことは大きな事件になるに違いない」

北朝鮮では窃盗が日常茶飯事となっているが、ついに「戦時物資保管倉庫」まで奪われだということは、軍の規律もガタガタになっているものと思われる。