5. 南と北は民族経済の均衡がとれた発展と共同の繁栄のために、経済協力事業を公利公営と有無相通の原則で、積極的に活性化して、持続的に拡大発展させていくことにした。
南と北は経済協力のための投資を奨励して、基盤施設の拡充と資源の開発を積極的に推進して、民族の内部協力事業の特殊性に合うように、各種の優待の条件と特恵を優先的に与えることにした。南と北は海州地域と周辺海域を包括する「西海平和協力特別地帯」を設置して、共同漁労区域と平和水域の設定、経済特区の建設と海州港の活用、民間の船舶の海州直航路の通過、漢江河口の共同利用などを積極的に推進していくことにした。
南と北は開城工業地区の第1段階の建設を早急に完工して、第2段階の開発に取り掛かり、ムンサン-ボンドン間の鉄道貨物輸送を始めて、通行・通信・通関問題を含めた諸般の制度的保障措置を早急に完備していくことにした。
南と北は開城-新義州鉄道と、開城-平壌高速道路を共同で利用するために、改善補修の問題を協議・推進していくことにした。南と北はアンビョンと南浦に朝鮮協力団地を建設して、農業や保健医療、環境保護など多くの分野での協力事業を行うことにした。南と北は南北経済協力事業の円滑な推進のために、現在の「南北経済協力推進委員会」を副総理級の「南北経済協力共同委員会」に格上げすることにした。
=今回の10.4共同宣言の、経済協力関連の核心条項だ。’民族の経済の均衡がとれた発展’は、6.15宣言の第4項にある。北朝鮮はこの第4項を基に、7年間米や肥料をもらい、一歩遅れて開城工団を始めた。開城工団は南側の立場としては南北経協事業だ。金正日の立場では、土地と人を貸してもらい、ドルを手に入れる事業だ。開城工団の企業ごとの利潤はまだなかったり、低い方だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面第5項の、’民族共同の繁栄のために、経済協力事業を公利公営と有無相通の原則で積極的に活性化して’という文章は、南北双方の認識の差が拡大する可能性がある。南側は自然資源を利用して、1次資源を安く持って来ることができると考えるかもしれないが、北朝鮮はこの文章で、必要ならば米と肥料、エネルギー、現金を要求することができる。
何よりも、経済特区の建設など、すべての文章が’-することにした’となっており、開城工団の着工に4年かかったように、北朝鮮がどのように出て来るのかによって、進展が早まる可能性もあるし、限りなく延期される可能性もある。経済推進委員会が副総理級に格上げされたというが、大きな違いはない。
‘海州港の活用、民間船舶の海州直航路の通過、漢江河口の共同利用などを積極的に推進していくことにした’という文章は、時間が随分かかる可能性があるが、この部分が希望通りになったら、中国との交易で非常に有利になることができる。だが、この条項は安保問題とかみ合って、海州直航路の開設は熱い争点として浮上するだろう。韓国に平和水域を直接作ることができる能力があったらどうなるか分からないが、あくまでも北朝鮮軍が掌握している所だ。したがって、主導権を韓国が持つのは困難だろう。もし、実際に平和水域ができれば、中国との交易で有利になるが、現実的な成功の可否は非常に不透明だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面鉄道輸送の問題は南が北に支援することで、アンビョン、南浦の朝鮮協力団地の建設などは、韓国企業がどのような計算をするか時間をかけて見なければならない。
6. 南と北は民族の悠久な歴史と優秀な文化を輝かすために、歴史、言語、教育、科学技術、文化芸術、体育などの社会文化分野の交流と協力を発展させていくことにした。南と北は白頭山観光を実施して、このために白頭山-ソウル直航路を開設することにした。南と北は2008年の北京オリンピック競技大会に南北応援団が京義線の列車を初めて利用して参加することにした。
=この分野の南北交流はすればするほどよく、むしろ北朝鮮が積極的に出るように促す必要がある。しかし、今までの形態から大きく先に進むことは難しいだろう。白頭山観光は金剛山観光をモデルにして、北朝鮮が現金を確保するのに有利だ。結局、金正日政権に現金を支援する、もう一つの窓口ができたわけだ。南北の住民間の交流という点でも、効率性が落ちる。京義線の列車の使用はこれをきっかけに、常設化を推進する必要があるが、結局はお金を支払って一度ずつのイベントをするのに止まると思われる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面7. 南と北は人道主義協力事業を積極的に推進していくことにした。南と北は離散家族と親戚の再会を拡大して、映像の手紙の交換事業を推進することにした。このため、金剛山面会所が完工されることによって、双方の代浮??唐ウせて、離散家族と親戚の再会を常時行うことにした。南と北は自然災害を含めて災難が発生した場合、同胞愛と人道主義、助け合いの原則によって積極的に協力していくことにした。
=今回の会談で成果を全くおさめることができなかった分野だ。国軍捕虜、拉致被害者の家族が絶望した一文だ。この文章に、今回の首脳会談推進チームの力量がそのまま現われた。経済協力は北朝鮮が願うことで、拉致被害者、国軍捕虜の問題は韓国が人道主義の部門で最優先に解決しなければならない歴史的’宿題’とも言えるものだった。今回の会談で政府が批判を受けなければならない部分だ。
8. 南と北は国際舞台で、民族の利益と海外同胞の権利と利益のための協力を強化していくことにした。南と北はこの宣言の履行のために、南北総理会談を開催することにして、第1回会議を今年11月中にソウルで開くことにした。
南と北は南北関係の発展のために、首脳が随時に会って懸案問題を協議することにした。
=北朝鮮はこれを、朝鮮総連などの在外機関の再建などのために活用するだろう。現実的に朝鮮総連を韓国が受け入れることは難しいため、韓国が出資して、主導権は北朝鮮が持つという状況が想定できるだろう。
‘南北関係の発展のために、首脳が随時に会って懸案問題を協議’するという文章は、6.15宣言の最後に銘記された’金正日の答礼訪問’よりも現実性がない。この部分は脚色用の’泡’に過ぎない。金正日は自分にとって利益になれば会談をして、損はしたがらない。
全体的に見て、今回の会談は’平和’分野はこれから時間をかけて見守らなければならない条項が多く、経済協力は北朝鮮次第で早まる可能性もあり、延期される可能性もある。’10. 4共同宣言’履行の主導権も、相変らず金正日が持つことになったわけだ。 (終)