これは分かりやすく言って、6.15共同宣言の拡大版だ。核放棄の確約などの実質的な平和の確保はなく、’経済協力の進上物’は多く捧げるという内容だった。
韓国政府が北朝鮮の人権問題を初めから挙げられないようにしておき、南南葛藤は一層けしかけてきた。西海は今後、平和的要素よりも葛藤の要素が増えることになった。
ほとんどすべての文句が、’-するだろう’、’-することにした’という’未来型’であり、交渉のための南北間の’大型ショー’を展開したという事実が一層明白になった。
北朝鮮の改革開放や人民の生活を向上することができる南北協力に対する実質的な項目は何もない。北朝鮮の住民がこの宣言を見れば、’私たちとは何の関係もない、南北政権の宴’と言うかもしれない。
全体を眺めると、’6.15共同宣言に基づいており、例外的な事項は第2項の’南と北は内部の問題に干渉せず…’であり、今後、韓国政府は北朝鮮の人権問題を取り上げないように明文化したという点、朝鮮半島地域で3者または4者の首脳が終戦宣言の問題を推進しようという点、西海の共同漁労水域を指定して平和水域を作るための方案を協議するという点だけだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面それ以外には、ほとんど全てが6.15共同宣言の第4項(民族の経済の均衡がとれた発展と交流・協力)を拡大、具体化したというのが基本的な特徴だ。今後、北朝鮮政権は韓国を利用して、より大きな実益と国際社会での利得を享受するようになり、韓国はこの7年間行ってきたままの経済支援を続けてあげて、南南葛藤は増し、北朝鮮の住民の生活は改善しない悪循環が続くだろう。
宣言を第1項から順に点検して見よう。
1.南と北は6.15共同宣言を固守して、積極的に具現していく。南と北は我が民族どうしの精神に基づいて、統一問題を自主的に解決して、民族の尊厳と利益を重視して、あらゆるものをここに志向させていくことにした。南と北は6.15共同宣言を履行する意志を反映して、6月15日を記念する方案を講ずることにした。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面= 6.15宣言の第1項はそのままだ。’我が民族どうし’が再確認されて、この7年間の南北関係が繰り返され、国際会談、南北会談など各分野で’民族共助’が続くだろう。6.15を記念日として制定し、南北間に初めから’我が民族どうし’の精神を刻み込もうという主旨だ。
2. 南と北は思想と制度の差を越えて、南北関係を相互の尊重と信頼関係に確固として転換していくことにした。南と北は内部の問題に干渉せず、南北関係の問題を和解と協力、統一にかなうように解決していくことにした。南と北は南北関係を統一志向的に発展させていくために、それぞれ法律的、制度的装置を整備していくことにした。南と北は南北関係の拡大と発展のための問題を民族の念願に合うように解決するために、両側の議会など各分野の対話と接触を積極的に推進していくことにした。
=韓国政府が北朝鮮の人権問題を最初から挙げないように明文化したのだ。’南と北は内部問題に干渉せず…’は南北基本合意書にも出ていると主張することができるが、北朝鮮の人権問題が世界的な問題になった今、奇妙なニュアンスが漂う。来年出帆する次期政府まで、北朝鮮の人権を取り上げることができないように’釘を打った’条項と見られる。北朝鮮の住民にとっては絶望的な条項だ。北朝鮮の人権問題はこの7年間の状況がそのまま繰り返されるだろう。韓国政府は、国際社会から北朝鮮の人権に沈黙する’反人権政府’という汚名を着せられることになるかもしれない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面=’それぞれ、法律的制度的装置を整備していくことに…’と韓国の国家保安法廃止の問題が浮上することになった。北朝鮮の労働党の規約の改定も対象ではあるが、北朝鮮では党の規約や憲法よりも金日成や金正日の教示、お言葉、10大原則がより重要であるため、結局、国家保安法の廃止に集中するだろう。保安法をめぐって、南南葛藤が誘発されるだろう。
=’両側の議会など、各分野の対話と接触を…’という文章は、韓国次第で有利に展開する可能性もある。だが、北朝鮮が不利な交流をしないことは明らかだから、今までと変わる点はないだろう。
3. 南と北は軍事的敵対関係を終息させて、朝鮮半島で緊張緩和と平和を保障するために緊密に協力することにした。南と北は互いに敵視せず、軍事的緊張を緩和して、紛争問題を対話と交渉を通じて解決することにした。南と北は朝鮮半島でいかなる戦争にも反対して、不可侵の義務を確固として守ることにした。
南と北は西海での偶発的衝突の防止のために、共同漁労水域を指定して、この水域を平和水域に作るための方案と、各種の協力事業に対する軍事的保障措置の問題など、軍事的信頼の構築措置を協議するために、南側の国防部長官と北側の人民武力部部長間の会談を今年11月中に平壌で開催することにした。
=上の段落は91年の南北基本合意書の内容を基にしている。下の段落が、今後南北間の紛争の要因になる可能性が高まった。西海のNLL問題が本格的な争点として浮上するということだ。これまで、NLL問題は議論の対象から除くという韓国の戦略が無力化され、これをめぐる南北交渉が本格化するだろう。北朝鮮はNLLの再区画設定問題を持ち出すようになるだろう。西海5道の住民たちの生計問題をめぐる南南葛藤の要因が増えた。
この水域は北朝鮮海軍の8戦隊の管轄であり、この水域を行き交う北朝鮮船舶の80~90%が8戦隊所属だ。北朝鮮軍は自主的な生産活動をするため、8戦隊の軍人たちがこの水域で漁労作業をする。安保の観点から見ると、弱点の露出が決定的に高まった。
4. 南と北は現停戦体制を終息させて、恒久的な平和体制を構築して行かなければならないという点で認識を共にし、直接係わる3者または4者の首脳が朝鮮半島地域で会い、終戦を宣言する問題を推進するために協力していくことにした。
南と北は朝鮮半島の核問題の解決のために、6者会談の「9.19共同声明」と、「2.13合意」が順調に履行されるように、共同で努力することにした。
=これは、2000年10月に北朝鮮のチョ・ミョンロク軍総政治局長がアメリカを訪問して発表した、’朝(北)-米共同コミュニケ’で出た文章よりも後退している。今後、この文章が議論の対象になる可能性がある。
‘朝米共同コミュニケ’は、’双方は朝鮮半島で緊張状態を緩和して、1953年の停戦協定を公告した平和保障体系に変えて、朝鮮戦争を公式に終息させることについて、4者会談など様々な方法があるということについて、見解が一致した’となっている。
当時、北朝鮮は3者(朝-米-中)に固執したが、米国側が’4者会談’にして、北朝鮮が主張する3者の場合も含むため、’など’という字を入れた。今回の第4項は’3者’と最初から銘記した。韓国は南-北-米を想定しているが、平壌で米-朝-中が会って終戦宣言を推進しても韓国は何も言えなくなった。
=2つ目の段落は、実は核問題を挙げることもできないものだ。この文章には、’6者会談の9.19共同声明…’に続き、’北側は朝鮮半島の非核化の共同宣言を守ることに…’という言葉が入らなければならないのだ。(続く)