ジョージ・W・ブッシュ政権が、外交的、経済的な圧迫を通じ、北朝鮮の軍部を通じた体制転覆を誘導する方案を検討していたと、ラムズフェルド前国防長官が明らかにした。
ラムズフェルド前国防長官は、最近発売された回顧録「Known and Unknown」を通じて、北朝鮮に経済支援、暖房燃料の援助などの誘引策を提供するよりは可能性は希薄だが、北朝鮮に外交的、経済的圧迫を強力に加えれば、北朝鮮軍部の高位将軍の一部が体制を転覆する事もありえると考えたと明らかにした。
しかし、ブッシュ政権末に国務部に対北朝鮮政策のヘゲモニーを奪われながら、国防部の通路が封鎖され国務部の交渉論者の専有物になったと回顧した。
特に、同氏は金正日体制が権力を維持する最も確実な手段が核兵器の追求であり、金正日が権力をにぎっている限り、北朝鮮が核兵器を放棄する可能性はほぼ無いと判断したが、当時のライス国務長官とクリストファー・ヒル6者会談代表は、大量殺傷武器(WMD)を北朝鮮から手放させる合意が可能だと信じていたと伝えた。
また、金正日が中国を後援者に置いている限り、6者会談で北朝鮮との交渉の成功は厳しいと楽観視しなかったと回顧した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面一方、2006年の北朝鮮の長距離ミサイルのテポドン2号が発射された当時、ブッシュ大統領はミサイル迎撃命令権限を自身に委任したと述べ、実際にミサイルの迎撃を検討したことも確認された。
また、2006年7月4日のテポドン2号発射当時、キーティング米北部司令官から北朝鮮がテポドン2号ミサイルを発射したとの報告を受け、発射軌道が米国に向かったと判断される場合、迎撃ミサイルの発射命令を下す準備をしなければならないことを勧告したが、ミサイルは発射42秒後に失敗に終わり、北朝鮮の領域内に落ちたと発表され、迎撃ミサイルの発射命令を下す必要がなかったと伝えた。