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北朝鮮の首都・平壌では、先月から固定電話の番号を変更する作業が行われている。市外局番の桁数が変わるというレベルのものではなく、全く新しい番号に変更するというものだ。いきなり自宅の電話番号が変わったら不便なこと極まりないだろうに、頻繁な変更に、平壌市民は慣れっこになっているとのことだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

中国の丹東に駐在する北朝鮮の貿易関係者は、最近、平壌から戻ってきた代表から「平壌で電話番号の変更作業が行われている」と伝え聞いた。作業が始まったのは、金正恩党委員長が先月23日に米朝首脳会談のためにベトナムに旅立つ直前のことだ。まださほど時間が経っておらず、作業は完了していないはずだと、この関係者は話した。

丹東の別の情報筋は、中朝を行き来する華僑の担ぎ屋に「平壌に着いたら親戚に電話してほしい」と頼んだところ、「固定電話の番号変更が行われているので、携帯電話の番号を教えてほしい」と言われたと明らかにした。

情報筋は「国が個人宅の電話番号を変えるのは非常に変なこと」としつつも、平壌の固定電話の番号は何の理由説明も、事前予告もなく突如として変えられることが頻繁に起きるため、慣れた様子だ。

平壌での在住経験を持つ脱北者のイさんも「当局は電話番号を変更する前に予告することはまずない」と証言する。証言によると、自宅の電話番号が変わったことにすら気づかないこともあるようだ。

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「自宅の電話番号が変わったことを知らず、逓信所(郵便局)から知らせが来てようやく気づくケースもある」(イさん)

このような電話番号の変更は2〜3年に1回、多いときは1年に2回も行われる。さらに役所の番号は、住宅の番号よりも頻繁に変更されるとのことだ。

今回の電話番号の変更は、平壌で行われているだけで、地方では行われていないもようだ。また、変更の理由も不明で、いずれの情報筋も言及していない。

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前回は2017年末ごろに電話番号の変更が行われ、それに前後して固定電話の使用が一時的にできなくなった。その原因は、国家機密扱いの電話帳が国外に流出したことと推測されている。

電話帳には、当局が対外的に存在を公開していない省庁の番号まで掲載されている。ということは、電話帳が海外に流出すると、政府の全体像が知られてしまうということになる。電話帳を海外に売ろうとした6人はスパイ扱いされ、逮捕、処刑されている。

(参考記事:変わらぬ北朝鮮、6人銃殺。理由は「電話帳を売ろうとしたから」

人口2500万人の北朝鮮で使われている固定電話は、2008年の時点でわずか118万回線。一方で、携帯電話は500〜600万台に達する。固定電話を引くには時間と費用がかかり、頻繁に番号が変えられるとなっては使うメリットがあまりないとも言えよう。