ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は3日、FOXニュースの報道番組に出演し、先月行われたハノイでの2度目の米朝首脳会談で、弾道ミサイルと生物化学兵器の全廃を北朝鮮に要求したことを明かした。
同会談で北朝鮮側は、「民需(民生)経済と人民生活に支障を与える項目の制裁を解除すれば、わが国は寧辺(ニョンビョン)の核(施設)のプルトニウムとウランを含むすべての核物質生産施設を、米国の専門家の立ち会いのもとに両国技術者の共同作業で永久に完全に廃棄する」と提案。米国はこれを受け入れず、会談は物別れに終わった。
(参考記事:北朝鮮「日本の核武装化こそ問題」主張でドツボにはまる)これについてボルトン氏は「北朝鮮は寧辺(ヨンビョン)団地の古くなった原子炉とウラニウム濃縮およびプルトニウム再処理能力の一部について制限的譲歩をする代価として相当な制裁緩和を望んだ」と説明。同時に、「大統領は弾道ミサイルと生物化学武器を含む完全な非核化と(その対価としての)経済開発の展望を含むビッグディールを逆に提案した」と明かした。
提案は、トランプ大統領が金正恩党委員長に対し、朝鮮語と英語の文書を直接渡す形で行ったという。しかし結局、北朝鮮側は会談で受け入れの姿勢を示さなかった。